ユーロ週間見通し:もみ合いか、引き続き中東情勢を注視

■強含み、米利上げサイクルの終了観測強まる

今週のユーロ・ドルは強含み。一時1.0747ドルまで上昇した。7-9月期域内総生産(GDP)速報値は市場予想を下回り、ユーロ売りが一時強まった。しかし、米利上げサイクルの終了観測が広がったことや10月米雇用統計は市場予想を下回る内容だったことから、米長期金利は低下し、ユーロ買い・米ドル売りが一段と拡大した。取引レンジ:1.0524ドル-1.0747ドル。

「底堅い動きか、ECB利上げ休止もドル買い縮小の可能性

来週のユーロ・ドルは底堅い動きか。欧州中央銀行(ECB)は利上げを休止したが、ユーロ圏経済の悪化を警戒したユーロ売りは一服しつつある。一方、米利上げ終了観測が大幅に後退する可能性は低いため、中東情勢に大きな変化が生じない場合、ユーロは底堅い動きを維持する可能性がある。

予想レンジ:1.0650ドル-1.0820ドル

■強含み、米利上げ終了観測や株高でユーロ買い強まる

今週のユーロ・円は強含み。日本銀行の政策再修正検討との報道を受け、日欧金利差縮小観測によるユーロ売り、円買いが一時強まった。しかし、日銀は緩和政策の枠組みを維持したことからユーロ買い・円売りが再燃した。米国の利上げ終了間近との見方から株高となったこともユーロ買い・円売りを促した。取引レンジ:157円70銭-160円85銭。

■もみ合いか、引き続き中東情勢を注視

来週のユーロ・円はもみ合いか。欧州中央銀行(ECB)は引き締めを休止したが、域内経済情勢の過度な警戒は一服し、ユーロ売りは限定的。ただ、中東情勢に対する市場の関心は引き続き高いことから、リスク選好的な円売りはある程度抑制されるだろう。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・7日:9月生産者物価指数(8月:前年比:-11.5%)

予想レンジ:158円00銭-161円00銭

《FA》