10月のADP雇用統計は予想を下回り、労働需要の後退を示唆

*ADP雇用者数変化(10月)21:15
結果 11.3万人
予想 15.1万人 前回 8.9万人(前月比)

日本時間21時15分に発表になった10月のADP雇用統計は11.3万人増と予想を下回り、労働需要の後退を示唆した。雇用増は規模や業種を問わず全般に及び、教育・医療サービスや貿易・運輸がけん引。娯楽・ホスピタリティーも2022年初頭以来の小幅な伸びとなった。一方、専門職・ビジネスサービスは人員を削減した。

データは賃金の伸びがさらに縮小していることを示している。同じ職に留まった人の賃金は前年比5.7%、転職した人の賃金は8.4%それぞれ上昇。いずれも2021年以降で最も低い伸びとなった。

発表元のADPのチーフエコノミストは「今月は雇用増加が圧倒的に集中した業種がなく、パンデミック後の大幅な賃上げも過去のものとなったようだ」と指摘。「全体として、10月はバランスの取れた雇用の構図を映し出している。労働市場が減速しているとはいえ、依然として力強い個人消費を支えるには十分だ」と述べた。

ADPのレポートは2500万人余りの給与データに基づいて算出。