米国株式市場見通し:FOMCや雇用統計に注目

来週は連邦公開市場委員会(FOMC)の結果に注目だ。米連邦準備制度理事会(FRB)はこの会合で政策金利を据え置く見通し。また、12月、来年1月の追加利上げの可能性を判断する上で重要指標となる10月雇用統計やISM製造業、非製造業景況指数にも注目したい。相場は9月、10月と季節的な要因で下落しやすい時期を通過し、果たして押し目買いに底入れするかどうかに注目だ。もし、FRBが今回のFOMCで利上げ終了を示唆した場合、押し目買いの材料になり、年末、年始に向けた相場回復を支援することになるだろう。

中東情勢の一段の深刻化は依然リスクとして警戒だ。しかし、下院議会が今週、やっと議長を選出したことは政局混乱への不安後退につながり、不透明要因のひとつがなくなったことは下支え要因になるだろう。

7-9月期GDPの成長率は予想をさらに上回り21年10-12月期来で最大の伸びを記録した。消費が引き続き底堅く成長を支援した。パンデミック以降、国民は債務よりも貯金額が縮小したとはいえ、依然規模が大きく消費を支えている。経済には景気後退の兆候はまだ見られない。インフレも高止まりする可能性はありそうだ。ただ、市場は金利がピークまたはそれに非常に近い水準に達したと一段と確信しつつある。強い経済指標にもかかわらず11月の利上げ見送りの確率も変わらない。雇用統計が強い結果となっても、市場の見解が大きく変わる可能性は少なく、相場支援材料になりそうだ。

経済指標では、第3四半期雇用コスト指数、8月FHFA住宅価格指数、8月S&P住宅価格指数、10月シカゴPMI、10月消費者信頼感指数(31日)、10月ADP雇用統計、10月製造業PMI速報、9月建設支出、9月JOLT求人件数、10月ISM製造業景況指数(11/1)、第3四半期非農業部門労働生産性、週次新規失業保険申請件数(2日)、10月雇用統計、10月ISM非製造業景況指数(3日)、などが予定されている。なお、FRBは10月31日から11月1日にかけてFOMC開催を予定。

主要企業決算では、ハイテクで、半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(31日)、携帯端末のアップルやオンライン決済会社のブロック(2日)、そのほか、重機メーカーのキャタピラー(31日)、食品加工会社のクラフト・ハインズ、化粧品メーカーのエスティローダー、レストラン食品宅配サービス会社のドアダッシュ、旅行情報・予約サイト運営のエアビーアンドビー、総合ヘルスケアのCVSヘルス(11月1日)、製薬会社のイーライリリー、保険会社のシグナ・グループ、コーヒーチェーンのスターバックス(2日)、また、エネルギー関連では、マラソン・ペトロリアム(31日)、コノコフィリップスやデューク・エナジー(2日)、ドミニオン・エナジー(3日)、などが予定されている。

なお、アップルは決算と同時に、新製品発表イベントを開催。新型マックを発表予定で注目だ。決算では中国での販売低迷に警戒だ。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》