株価指数先物【引け後】 日経平均型に資金集中し、NT倍率は抵抗線を突破

日経225先物 31900 +170 (+0.53%)
TOPIX先物 2304.5 -1.5 (-0.06%)

日経225先物(12月限)は前日比170円高の3万1900円で取引を終了。寄り付きは3万1900円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万1820円)を上回り、買い先行で始まった。前日の700円を超える大幅な上昇に対する利益確定により、現物の寄り付き直後には3万1800円まで上げ幅を縮めた。ただし、米長期金利の低下を受けた米株高の流れを引き継ぎ、指数インパクトの大きい値がさハイテク株など日経平均型が相場を牽引する格好となった。韓国市場ではサムスン電子が発表した2023年7-9月期決算速報値で、営業利益は前年同期比78%減となったものの前四半期比では回復し、業績が底打ちしたとの見方から急伸したことも、半導体株への物色を強める一因となったようだ。

日経225先物は前場中盤に付けた3万1950円をピークに同水準に上値を抑えられる格好だったが、利食いをこなしつつ、下値を切り上げるトレンドを形成した。後場に入ると3万1950円水準を上放れ、一時は3万2040円と節目の3万2000円を回復。その後も3万1950円~3万2000円処で高値保ち合いを続けたが、大引け間際に持ち高調整とみられる動きが入り上げ幅を縮めた。

東証プライムの騰落銘柄は、値下がり数が1400を超え、全体の7割超を占めた。日経平均株価はファーストリテイリング <9983> [東証P]、東京エレクトロン <8035> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]、アドバンテスト <6857> [東証P]、レーザーテック <6920> [東証P]の5銘柄が約194円ほど押し上げており、日経平均型に資金が集中する格好だった。

一方でTOPIXは4営業日ぶりの反落だった。米金融当局の高官らが再び利上げ見送りに傾いたことで、米追加利上げ観測への警戒が和らいでいる。米長期金利はピークとの見方が高まるなか、バリュー株に傾いていたポジションのリバランスの動きが強まっているようだ。

ただし、11日には米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表が予定されている。足もとでは追加利上げ観測は後退しているものの、議事要旨の内容次第では利上げ観測が再燃する可能性も考えられる。また、米国9月卸売物価指数(PPI)が発表されるほか、12日には米国9月消費者物価指数(CPI)も控えているため、再び利上げ観測が警戒される局面には注意しておきたい。

これらを無難に通過してくるようだと、日経平均型のリバランスの動きが一段と強まる展開が意識されやすい。週末に10月の特別清算指数算出(SQ)を控えていることもあり、節目の3万2000円での底固めから、25日、75日移動平均線が位置する3万2200円前後を捉えてくるようだと、一段とヘッジ対応の動きに向かわせそうだ。

なお、NT倍率は先物中心限月で13.84倍に上昇した。上値抵抗線として機能していた25日線を明確に上放れてきており、NTショートの巻き戻しが強まりやすく、NTロングによるスプレッド狙いに向かわせよう。目先的には200日線が位置する14.04倍辺りがターゲットになる。

手口面では、バークレイズ証券が3084枚、JPモルガン証券が633枚、BNPパリバ証券が610枚、ソシエテジェネラル証券が574枚、ドイツ証券が544枚の買い越しに対して、シティグループ証券が2236枚、野村証券が1775枚、ABNクリアリン証券が1022枚、SBI証券が438枚、大和証券が398枚の売り越しだった。

TOPIX先物は、JPモルガン証券が5476枚、ソシエテジェネラル証券が1966枚、ドイツ証券が568枚、SMBC日興証券が390枚、SBI証券が336枚の買い越しに対して、バークレイズ証券が2978枚、モルガンMUFG証券が1937枚、UBS証券が1504枚、ゴールドマン証券が1476枚、ビーオブエー証券が705枚の売り越しだった。