今週の【早わかり株式市況】3週続落、米金利上昇でリスク回避の動き急

■今週の相場ポイント
1.日経平均は3週続落、3万1000円割り込む
2.月曜からボラタイルな展開、朝高後に失速
3.連日の急落、金利上昇への警戒感高まる
4.マザーズ指数は新安値、バリュー株も下落
5.雇用統計控え様子見姿勢、買い戻し続かず

■週間 市場概況
今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比862円(2.7%)安の3万0994円と、3週連続で下落した。

今週はリスク回避の動きが一気に強まった。米金利上昇への警戒感が高まり、グロース株だけでなく、これまで買われていたバリュー株までもが売られる展開に。日経平均は3万1000円台をわずかながら割り込んで取引を終えた。

名実ともに10月相場入りとなった2日(月)の東京株式市場はボラタイルな展開となった。週末の間に米国で政府機関の閉鎖を回避する「つなぎ予算」が成立し、これを受け週明けの東京市場は朝方リスク選好ムードが広がった。日経平均は一時500円高となったが、買いが一巡すると急速に値を消しマイナス圏に転落。結局、小幅安で取引を終えた。3日(火)はリスクオフ一色の地合いに。前日の欧州株市場が各国金利上昇を嫌気して全面安となったほか、米国株市場でも金利上昇を背景にNYダウが続落、東京市場にもこの流れが波及した。東証マザーズ指数が年初来安値を更新するなどグロース株が売られた一方、バリュー株にも利益確定の動きが相次いだ。4日(水)も大幅安。日経平均は700円超の下げで、フシ目の3万1000円台を大きく割り込んだ。米金利上昇への警戒感が依然強いなかリスク回避の地合いが継続。香港や韓国などアジア株市場が総じて下落したことも見送りムードを助長した。プライム市場の9割超の銘柄が値下がりした。一転して5日(木)は大幅高。米金利上昇が一服し投資家心理が改善。これまで売り込まれていた反動で買い戻しの動きが広がった。前日とは打って変わって、プライム市場の9割超の銘柄が上昇した。6日(金)は相場の方向感が出ず、日経平均は小幅安で引けた。この日夜に米雇用統計を控え、3連休前ということもあって様子見姿勢が強まった。前日までの買い戻しの勢いは続かなかった。

■来週のポイント
来週も米金利動向に関心が集まりそうだ。昨晩発表された米9月の雇用統計と、来週12日発表の米9月消費者物価指数に相場は大きく影響されるだろう。不安要素の多い局面ではあるが、日経平均の現在の水準は値頃感もあり下値拾いに動く投資家も多いと思われる。

重要イベントとしては、国内では12日朝に発表される8月機械受注のほか、13日のオプションSQが注目される。海外では前述した12日発表の米国9月消費者物価指数、13日に発表される中国9月の消費者物価指数と生産者物価指数に注視が必要だろう。

■日々の動き(10月2日~10月6日)

【↓】 10月 2日(月)―― 3日続落、朝高も米長期金利上昇で安値引け
日経平均 31759.88( -97.74) 売買高15億5061万株 売買代金 3兆7015億円

【↓】 10月 3日(火)―― 4日続落、欧米金利高でリスク回避の売り優勢
日経平均 31237.94( -521.94) 売買高16億3126万株 売買代金 3兆7181億円

【↓】 10月 4日(水)―― 5日続落、米金利上昇が警戒され3万1000円台割れ
日経平均 30526.88( -711.06) 売買高20億2967万株 売買代金 4兆4588億円

【↑】 10月 5日(木)―― 6日ぶり反発、米金利上昇一服で3万1000円台回復
日経平均 31075.36( +548.48) 売買高16億5238万株 売買代金 3兆7403億円

【↓】 10月 6日(金)―― 反落、米雇用統計や3連休控え様子見姿勢
日経平均 30994.67( -80.69) 売買高14億3721万株 売買代金 3兆2000億円

■セクター・トレンド
(1)全33業種中、32業種が下落
(2)下落率トップのINPEX <1605> など鉱業をはじめ、原油市況の下落でENEOS <5020> など石油、住友電 <5802> など非鉄も売り込まれるなど資源株が大幅安
(3)トヨタ <7203> など自動車、コマツ <6301> など機械、太陽誘電 <6976> など電機といった輸出株も安い
(4)内需株はJR東日本 <9020> など陸運の下げ幅が大きく、日揮HD <1963> など建設、ラインヤフー <4689> など情報通信も売られた
(5)SOMPO <8630> など保険、クレセゾン <8253> などその他金融、三菱UFJ <8306> など銀行といった金融株も軟調
(6)唯一の上昇は川崎汽 <9107> など海運

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
1(2) 半導体 ── 米半導体セクターが底入れ気配に
2(14) 円高メリット ── 為替介入に備え関連株をマーク
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※カッコは前週の順位