株価指数先物【引け後】 ヘッジを考慮したスプレッド狙いの動きが入りやすい

大阪9月限
日経225先物 31470 -200 (-0.63%)
TOPIX先物 2237.0 -18.0 (-0.79%)

日経225先物(9月限)は前日比200円安の3万1470円で取引を終了。寄り付きは3万1300円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万1380円)を下回る形で売りが先行した。現物の寄り付き直後には3万1230円まで下げ幅を広げたが、中国市場の動向を見極めたいとのムードもあり、売り一巡後は3万1300円~3万1400円辺りで保ち合いを継続。その後、注目された中国市場が落ち着いた動きで始まったことから、前場終盤にかけてショートカバーが入り、一時3万1630円まで買い戻される場面が見られた。

ただし、米株安の影響に加え、中国不動産開発大手の中国恒大集団が米連邦破産法15条の適用を申請したと報じられたことから、中国市場の波乱を想定したショートが入ったとみられ、ショートカバーは前場終盤にかけて一巡。後場は再び軟化し、中盤にかけて3万1300円まで売られ、引けにかけてのショートカバーにより3万1470円まで下落幅を縮めて終えた。

ハンセン指数は落ち着いて始まったが、その後は下落幅を広げており、前日に付けた年初来安値水準に迫っている。上海指数も景気対策への期待感からプラス圏で推移していたが、結局はマイナス圏に沈んでおり、中国の不動産業界を巡る懸念は引き続き重荷になりそうだ。また、来週は米国でジャクソンホール会議が開催されるため、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の発言に投資家の関心が集まりやすく、引き続き積極的には手掛けづらい需給状況だろう。

本日の東証プライムの売買代金は7月26日以来の3兆円を下回っていた。積極的な参加者は限られており、外部要因に対するアルゴリズム発動による荒い値動きには注意しておきたいところである。

日経225先物は一時3万1630円まで買われ、ボリンジャーバンドの-2σを上回る場面が見られた。しかし、これをキープできず、下向きで推移する-2σと-3σに沿った形での調整が警戒されそうだ。週足では-2σが3万1100円辺りに位置しており、目先的には同水準までの調整は想定しておきたい。

なお、NT倍率は先物中心限月で14.06倍に上昇した。一時節目の14.00倍を下回ったことから、若干ながらNTショートを巻き戻す動きが入っているようだ。また、本日はアドバンテスト <6857> [東証P]、東京エレクトロン <8035> [東証P]の底堅い値動きが目立つ一方で、インバウンド関連株に利益確定の動きが目立っており、若干ながら日経平均型優位の流れだった。相場全体として調整が継続するなか、ヘッジを考慮したスプレッド狙いの動きが入りやすくなりそうだ。来週はエヌビディア<NVDA>の決算発表が予定されており、NT倍率のトレンド転換が意識されそうである。

手口面では、日経225先物は日産証券が1411枚、野村証券が915枚、モルガンMUFG証券が456枚、ビーオブエー証券が409枚、UBS証券が182枚の買い越しに対して、ABNクリアリン証券が2243枚、ソシエテジェネラル証券が582枚、大和証券が402枚、三菱UFJ証券が227枚、バークレイズ証券が165枚の売り越しだった。

TOPIX先物は、シティグループ証券が2484枚、JPモルガン証券が1496枚、BNPパリバ証券が982枚、バークレイズ証券が963枚、ビーオブエー証券が520枚の買い越しに対して、ゴールドマン証券が3876枚、UBS証券が1138枚、モルガンMUFG証券が1010枚、ソシエテジェネラル証券が742枚、野村証券が129枚の売り越しだった。