7月の米CPIはインフレ抑制への期待を強める

この日発表の7月の米消費者物価指数(CPI)は小幅な上昇に留まり、FRBが景気後退を引き起こすことなくインフレを抑制できるという期待を強めた。エネルギーと食品を除いたコア指数は前月比で0.2%の上昇。この2カ月間の上昇率は、過去2年間で最小となっている。ただ、前年比では4.7%の上昇となっているが、予想よりは若干低かった。

インフレの進展は、堅調な経済と、なお力強いが徐々に冷え込む労働市場と相まって、FRBにとって正しい方向への一歩とを示している。過去22年間で最も高い金利は、物価上昇圧力を沈静化させる役割を果たしているが、多くのエコノミストがかつて避けられないと考えていた景気後退に傾けるまでには至っていない。

米CPIは予想を若干下回る程度ではあったが、インフレ鈍化を示唆するには十分な内容で、短期金融市場ではFRBの年内利上げの確率を低下させている。少なくとも9月FOMCでの利上げはほぼないと見ている状況。

品目別では、食品が前年比4.9%上昇、新車が3.5%上昇で、それぞれ伸び鈍化が続いている。住居費は7.7%上昇。ガソリンは19.9%低下したが、下落率は前月よりも小さくなった。中古車も5.6%低下した。

なお、パウエルFRB議長が言及し、市場も注目している住居費を除くサービスインフレ、いわゆるスーパーコアは計算値で、前月比0.2%上昇、前年比で4.1%上昇と、前回よりも若干上げ幅を広げている。これを受けて一部からは、FRBの闘いは終わってないとの指摘も出ているようだが、全体の流れとしては鈍化傾向を示している。

*米消費者物価指数(7月)21:30
結果 0.2%
予想 0.3% 前回 0.2%(前月比)
結果 3.2%
予想 3.3% 前回 3.0%(前年比)
結果 0.2%
予想 0.2% 前回 0.2%(コア・前月比)
結果 4.7%
予想 4.8% 前回 4.8%(コア・前年比)