株価指数先物【引け後】 小動きながら売り一巡後はショートカバー優勢

大阪9月限
日経225先物 32320 +170 (+0.52%)
TOPIX先物 2288.0 +17.0 (+0.74%)

日経225先物(9月限)は前日比170円高の3万2320円で取引を終了。寄り付きは3万1900円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万1980円)を下回り、売りが先行した。ただし、現物の寄り付き直後に付けた3万1800円を安値にショートカバーが優勢となり、前場終盤にかけてプラスに転じた。ランチタイムでは3万2160円~3万2210円処での保ち合いを継続。後場に入りいったん3万2120円へ下放れを見せ、直後に3万2270円まで買われるなど、ロング優位の展開となった。終盤にかけて再び3万2200円を挟んだレンジ推移が続いたものの、現物の引け後にショートカバーが強まり、3万2320円と本日の高値で取引を終えた。

日経225先物は先週末の米国株安のほか、為替市場で円安が一服していたことから、売りが先行した。しかし、ボリンジャーバンドの-2σ(3万1730円)を下回らなかったこともあり、その後はショートカバーが優勢となるなか、前引けにかけて-1σが位置する3万2180円まで買われた。その後は-1σ水準を明確に上放れたことにより、ショートカバーに向かわせる流れとなった。

日銀は先月の金融政策決定会合の「主な意見」を公表したが、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)に関して「柔軟化しつつ維持していく必要がある」という意見もあった。緩和的な金融環境が維持されるといった見方などにつながり、買い戻しを誘った面もあろう。

また、本日はファーストリテイリング <9983> [東証P]、東京エレクトロン <8035> [東証P]、アドバンテスト <6857> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]の下げが日経平均株価の重荷となっていた。一方で、ユニ・チャーム <8113> [東証P]、日本製鉄 <5401> [東証P]、クボタ<6326> [東証P]、大和ハウス工業<1925> [東証P]など、決算を評価した物色が見られており、これがTOPIX型を押し上げる格好となった。

なお、NT倍率は先物中心限月で14.12倍に低下した。一時14.05倍まで下がり、200日移動平均線を下回る場面も見られた。後場に入りNTショートを巻き戻す動きが入ったとみられ、200日線水準で終えているが、方向性としては5月半ばの安値水準となる13.91倍辺りが意識されてくるだろう。ただし、11日が祝日で休場となるため、8月の先物・オプション特別清算指数算出(SQ)は1日早くなる。先週の荒い値動きによってヘッジ対応の動きは進んでいると考えられ、波乱の展開はなさそうだが、様子見姿勢に向かわせそうだ。

手口面では、日経225先物は野村証券が2674枚、ドイツ証券が813枚、ビーオブエー証券が461枚、モルガンMUFG証券が424枚の買い越しに対して、ABNクリアリン証券が1896枚、ゴールドマン証券が534枚、シティグループ証券が463枚、ソシエテジェネラル証券が459枚の売り越しだった。

TOPIX先物は野村証券が2542枚、バークレイズ証券が1455枚、ゴールドマン証券が909枚、ドイツ証券が468枚の買い越しに対して、JPモルガン証券が2520枚、ソシエテジェネラル証券が1637枚、みずほ証券が444枚、BNPパリバ証券が355枚、ABNクリアリン証券が286枚の売り越しだった。