株価指数先物【引け後】 日銀トレード中心で荒い値動き

大阪9月限
日経225先物 32770 -150 (-0.45%)
TOPIX先物 2290.5 -8.5 (-0.36%)

日経225先物(9月限)は前日比150円安の3万2770円で取引を終了。「日銀が金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の修正案を議論する」との一部報道で急落したナイトセッションの流れを引き継ぎ、寄り付きは3万2490円とシカゴ日経平均先物清算値(3万2505円)にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まった。売り一巡後は金融政策決定会合の結果を見極めたいとするムードが強まり、3万2300円~3万2500円辺りで保ち合いを継続。

後場の取引開始直前に、金融政策決定会合でYCCの運用を柔軟化すると決めたと伝わると、アク抜け感からか後場の取引開始直後に3万2850円まで下落幅を縮める場面が見られた。ただし、10年物国債を0.5%の利回りで無制限に毎営業日購入する「連続指し値オペ」の利回りを引き上げる措置を決めたことで、長期金利に一段と上昇圧力がかるとして売り直され一時3万2000円まで下げ幅を広げた。終盤にかけては植田日銀総裁の会見内容を見極めたいとしてショートカバーが強まり、下落幅を縮めて取引を終えた。

日経225先物は前日のナイトセッションで付けた高値から本日の安値まで1200円ほど変動するなど、日銀会合を手掛かりとした物色が勢いを増していた。前日の日本経済新聞(電子版)のリーク報道や本日の結果発表後の動向をみても、これらをトリガーとしたアルゴリズム発動による影響があったとみられる。

引き続き今後の金利動向や為替動向を睨んでの展開を余儀なくされそうだが、ひとまずイベント通過によって落ち着きをみせてくる可能性はあろう。また、決算発表の本格化に伴って主要銘柄の決算の影響を受けやすくなりそうだ。日経225先物は日中こそ荒い値動きとはなったが、週間では上昇となった。3万2000円~3万3000円のレンジ推移を継続しており、25日移動平均線突破を狙った押し目狙いのスタンスを想定しておきたい。

なお、NT倍率は先物中心限月で14.30倍だった。14.18倍から14.39倍と変動幅が大きかった。短期的な変動とみられるが、トレンドは下向きで推移しており、長期金利の上昇が意識されるなかでは銀行株の利ザヤ改善期待などが意識されやすく、ややNTショートに振れやすいと考えられる。

手口面では、日経225先物はモルガンMUFG証券が1730枚、SMBC日興証券が1390枚、野村証券が686枚、BNPパリバ証券が559枚、みずほ証券が446枚の買い越しに対して、ドイツ証券が1153枚、ソシエテジェネラル証券が1080枚、JPモルガン証券が967枚、ビーオブエー証券が631枚、SBI証券が603枚の売り越しだった。

TOPIX先物は野村証券が1763枚、BNPパリバ証券が1076枚、UBS証券が1072枚、みずほ証券が637枚、モルガンMUFG証券が584枚の買い越しに対して、バークレイズ証券が1411枚、ドイツ証券が1270枚、ビーオブエー証券が1062枚、ソシエテジェネラル証券が725枚、ゴールドマン証券が566枚の売り越しだった。