株価指数先物【引け後】 139円台の円高でショート優位の需給状況

大阪9月限
日経225先物 31940 -300 (-0.93%)
TOPIX先物 2223.0 -14.0 (-0.62%)

日経225先物(9月限)は前日比300円安の3万1940円で取引を終了。寄り付きは3万2360円とシカゴ日経平均先物清算値(3万2295円)を上回り、買い先行で始まった。しかし、寄り付き直後に付けた3万2370円を高値に軟化し、ほどなくして下げに転じた。前場中盤にかけて下落幅を広げ節目の3万2000円を割り込むと、一時3万1760円まで売られた。節目の3万2000円を割り一気にボリンジャーバンドの-2σまで下げたこともあり、いったんは売り一巡感が台頭し、後場半ばには3万2040円まで下げ幅を縮める場面も見られた。ただし、同水準での戻りの鈍さが意識され、後場は概ね3万1850円~3万1990円処で保ち合いとなった。

円相場が1カ月ぶりに1ドル=139円台と円高に振れたことで、円安を手掛かりとしてきたポジションにおいて利益確定が強まるとみて、先回り的にショートを仕掛ける動きもあったようだ。節目の3万2000円を割ったことで、押し目待ちのロングも手控えさせた格好である。12日の米国市場では米連邦準備理事会(FRB)が金融政策で重要視する6月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることも、タイミングとしてはショート優位の状況をもたらした。

ボリンジャーバンドの-2σが3万1820円辺りに位置しており、ひとまず支持線として意識されそうだ。同水準を明確に下回ってくるようだと、-3σの3万1270円辺りまでバイアスが強まる可能性はあるが、一気に下げてくる局面では、売られ過ぎによる自律反発を想定したスタンスになろう。

もっとも、7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)に加えて、ナスダックの再配分に伴うリバランスの影響が不透明であるため、積極的な売買は手控えられやすい。また、今後、決算発表が本格化してくることで機関投資家は動きづらくなる。そのため、ショート優位のセンチメントに傾きやすくなりそうであり、まずは上値抵抗線として意識されつつある3万2000円を早期に回復しておきたい。

NT倍率は先物中心限月で14.36倍に低下した。ボリンジャーバンドの-1σと-2σによるレンジでの推移だった。東京エレクトロン <8035> [東証P]やアドバンテスト <6857> [東証P]など指数インパクトの大きいハイテク株の弱い値動きが、日経平均型の重荷となった。ただし、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]とファーストリテイリング <9983> [東証P]の上昇が下支えする格好であり、方向感をつかみづらくさせている。

手口面では、日経225先物はABNクリアリン証券が2569枚、野村証券が1547枚、ドイツ証券が495枚の買い越しに対して、みずほ証券が2134枚、モルガンMUFG証券が925枚、大和証券が498枚の売り越しだった。TOPIX先物はモルガンMUFG証券が1793枚、ゴールドマン証券が1542枚、BNPパリバ証券が1507枚、野村証券が1011枚の買い越しに対して、みずほ証券が1767枚、SMBC日興証券が1222枚、大和証券が1222枚、ビーオブエー証券が929枚の売り越しだった。