米雇用統計、失業者数の分析から下期のリセッションを示唆との指摘も

先週の米雇用統計を受けて、為替市場はドル売りの反応を見せ、米株式市場は下落した。非農業部門雇用者数(NFP)は20.9万人の増加となり、予想を下回っていたが、失業率は3.6%と依然として低水準で、平均賃金も鈍化傾向までは見せていない。

FRBの追加利上げへの期待に変化を与えることはない一方、米経済の底堅さを示し、ソフトランディングのシナリオは正当化しそうな内容ではある。

しかし、1つ気がかりなことがあるという。失業者数を6カ月と12カ月の両方の移動平均を用いて分析すると、4月に底を打った可能性があるという。4月の6カ月移動平均の失業者数は580万8000人で、12カ月は586万1000人だった。5月と6月の失業者数の移動平均は、いずれもやや上向いている。

失業者数の移動平均は、時にはリセッション(景気後退)の始まりと同時のこともあるが、大抵はリセッションの直前に底を打つことが多い。そのため、このデータから示唆されるシナリオは、下期にリセッションが到来することだと分析している。