株価指数先物【引け後コメント】 21年9月高値の3万0620円処をターゲットとしたロング優位の需給状況

大阪6月限
日経225先物 30060 +220 (+0.73%)
TOPIX先物 2131.0 +3.5 (+0.16%)

日経225先物(6月限)は、前日比220円高の3万0060円で取引を終了。寄り付きは2万9900円と、シカゴ日経平均先物清算値(2万9870円)にサヤ寄せする格好から、買い先行で始まった。寄り付き直後に付けた2万9890円を安値にリバウンド基調が強まり、前場中盤に3万円を回復。いったんは達成感が意識され、2万9940円辺りまで上げ幅を縮めた。しかし、押し目買い意欲は強く、前場終盤にかけて3万円を回復すると、ランチタイムでは一時3万140円まで買われた。後場は短期的な過熱感が警戒されてこう着感を強めたが、3万円を上回って推移した。

東証プライム市場の騰落銘柄は、値下がり数が1000を超え、全体の過半数を占めるなか、ファーストリテイリング <9983> [東証P]、東京エレクトロン <8035> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]、アドバンテスト <6857> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさ株が買われ、4銘柄で日経平均株価を約210円押し上げた。日経225先物は3万円回復により、いったんは達成感が意識されやすいが、その後も3万円を上回って推移したことで、ショートカバーに加えて、出遅れていたロングの動きも強まってきたようだ。

4月以降の世界の主要な株価指数では、3万円を回復した日経平均株価が7%を超える上昇で首位となり、TOPIXは6%超の上昇で2位だった。一方、ナスダックは1%程度の上昇で、NYダウは0.8%のマイナスだった。こうした動きのなかで、海外投資家による資金流入が一段と強まっているようだ。カイ離の大きさからショートは入りやすいものの、資金シフトの流れが続くなか、結果的にはその後のショートカバーにつながっており、下げづらい需給状況であろう。

日経225先物はボリンジャーバンドの+2σを上回っての推移となり、過熱感は意識されやすいものの、現在の需給状況では、ショートは禁物だろう。+3σは3万650円辺りまで切り上がってきており、21年9月高値の3万0620円、同年2月高値3万0720円辺りをターゲットとした、ロング優位の展開が意識されそうだ。

なお、NT倍率は先物中心限月で14.10倍に上昇した。14.09倍に位置する200日移動平均線を終値で上回っており、4月半ばの上昇場面でつけた14.12倍に接近。NTロングのリバランスは意識される水準ではあるが、200日線を明確に上放れてくるようだと、トレンド転換から昨年12月に付けた14.31倍辺りをターゲットとした、NTロングでのスプレッドを狙った動きが強まってくると考えられる。

手口面では、日経225先物はABNアムロが3290枚、SBIが680枚、みずほが370枚程度の売り越しに対して、ドイツが1400枚、JPモルガンが1300枚、シティが730枚、BofAが650枚、野村が450枚、バークレイズが410枚程度の買い越しだった。ABNアムロは裁定買い(現物買い・先物売り)に絡んだ売買とみられる。TOPIX先物はJPモルガンが3850枚、BNPパリバが1420枚、クレディスイスが1050枚程度の売り越しに対して、ドイツが1460枚、ゴールドマンが1380枚、BofAが1150枚、バークレイズが920枚程度の買い越しだった。