株価指数先物【引け後コメント】 買い一巡後はこう着ながら、海外勢の買いへの思惑は強く高値圏での推移を継続

大阪6月限
日経225先物 29420 +300 (+1.03%)
TOPIX先物 2097.0 +15.0 (+0.72%)

日経225先物(6月限)は、前日比300円高の2万9420円で取引を終了。寄り付きは2万9130円と、シカゴ日経平均先物清算値(2万9130円)にサヤ寄せする形で、小幅に反発して始まった。現物の寄り付き直後に付けた2万9090円を安値にロング優勢の展開となり、前場中盤には2万9420円まで上げ幅を広げた。買い一巡後は持ち高調整により上げ幅を縮めたものの、後場も2万9330円~2万9420円と高値圏での保ち合いを継続。現物の取引終了後には2万9430円まで買われた。

前場中盤にかけての上昇後はこう着感の強い展開とはなったものの、前日の引け後に決算を発表した東京エレクトロン <8035> [東証P]が、売り一巡後にアク抜けの動きを強めたことが、センチメントの改善につながった。米国では12日に連邦債務上限問題を巡り、バイデン大統領と共和党幹部らによる協議が再開される予定であり、週末要因もあって様子見姿勢が強まりやすい状況ではあった。ただし、海外勢による買いへの思惑も強く、先物市場で5月2日の高値2万8360円を上回ったことで、ショートカバーを誘う格好にもなったと考えられる。

225先物は、切り上がるボリンジャーバンドの+1σと+2σのレンジ内で推移しており、+1σまでの調整を経て、本日は+2σに接近する格好となった。+2σは2万9690円処まで上昇している。ナイトセッションでは一時2万9550円まで上昇し、オプション権利行使価格の2万9500円を上回ってきたため、ショートカバーが一段と強まる可能性はあるだろう。なお、+3σは3万0230円辺りまで切り上がってきているため、オプション権利行使価格の2万9500円を巡る攻防から、節目の3万円をターゲットとしたトレンドを想定しておく必要はありそうだ。

なお、NT倍率は先物中心限月で14.02倍に上昇した。25日移動平均線水準まで上昇したことから、NTロングを巻き戻す動きは入りやすいだろうが、東京エレクトロンなど半導体株のアク抜けの動きが継続するようだと、14.10倍辺りで推移している200日線辺りを狙ったNTロングが入りやすい。また、4月半ばに付けた14.12倍を捉えてくると、52週線を突破してくる可能性もあり、一段とNTロングの動きが強まることが見込まれる。

手口面では、日経225先物はABNアムロが630枚、みずほが490枚、BofAが490枚、auカブコムが470枚、楽天が460枚程度の売り越しに対して、ソジェンが1300枚、ゴールドマンが1060枚、バークレイズが600枚、UBSが510枚程度の買い越しだった。TOPIX先物はBNPパリバが1470枚、三菱UFJが950枚、ソジェンが750枚、ABNアムロが590枚程度の売り越しに対して、モルガンSが1080枚、ゴールドマンが870枚、シティが590枚程度の買い越しだった。