東京株式(大引け)=120円安、米CPI発表控え利益確定売り優勢に

10日の東京株式市場は前日の欧米株安を受け、目先利益確定の売りで軟調な地合いとなった。ただ、日経平均株価は下値抵抗力も発揮し、下げ幅は限定的だった。

大引けの日経平均株価は前営業日比120円64銭安の2万9122円18銭と反落。プライム市場の売買高概算は13億1532万株、売買代金概算は3兆1877億円。値上がり銘柄数は436、対して値下がり銘柄数は1341、変わらずは57銘柄だった。

きょうの東京市場は終始軟調な展開を強いられた。前日の欧州株が総じて安かったほか、米国株市場でもNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに下落し、投資家のセンチメントが弱気に傾いた。日本時間今晩に4月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、買いポジションを高めにくく、日経平均は前日に1年4カ月ぶりの高値圏に浮上していたこともあり、目先利食い急ぎの動きを誘発する形となった。国内主力企業の決算が取引時間中に相次いで発表されたが、その内容は好悪入り交じり株価も明暗を分けている。プライム市場全体の73%の銘柄が値を下げる売り圧力の強い地合いとなったが、決算発表を絡めた個別株物色意欲は旺盛だった。売買代金は3兆2000億円弱と前日に続き高水準だった。

個別では、レーザーテック<6920>や東京エレクトロン<8035>など半導体主力株が冴えず、ソニーグループ<6758>、ダイキン工業<6367>、キーエンス<6861>なども軟調。売買代金でトップとなった日本製鉄<5401>は急落。伊藤忠商事<8001>、住友商事<8053>なども安い。レノバ<9519>が急落、大平洋金属<5541>、NTN<6472>なども大幅安。三菱自動車工業<7211>も商い高水準で大きく下値を試す展開に。

半面、三菱商事<8058>が出来高を膨らませ大幅上昇したほか、トヨタ自動車<7203>がしっかり。ソフトバンクグループ<9984>も頑強。ローム<6963>が高く、ニトリホールディングス<9843>も物色人気となった。三菱重工業<7011>も高い。山田コンサルティンググループ<4792>はストップ高で値上がり率トップとなり、矢作建設工業<1870>も値幅制限いっぱいに買われた。このほか世紀東急工業<1898>が値を飛ばした。丸井グループ<8252>が大幅高、日本冶金工業<5480>も大きく上値を追った。