東京株式(大引け)=208円安、米株乱高下受け利食い誘発も値上がり銘柄多い

8日の東京株式市場は終始売り優勢。前週末の欧米株市場が大幅高に買われたものの、大型連休中に米国株が波乱含みに下げたことで警戒ムードも漂い、目先筋の利益確定売りを誘発する格好となった。

大引けの日経平均株価は前営業日比208円07銭安の2万8949円88銭と5日ぶり反落。プライム市場の売買高概算は11億8956万株、売買代金概算は2兆9924億円。値上がり銘柄数は1126、対して値下がり銘柄数は637、変わらずは71銘柄だった。

きょうの東京市場は朝方から売り優勢の展開となり、日経平均は徐々に下げ幅を広げ、フシ目の2万9000円台を割り込んだ。注目された3日のFOMCではFRBが0.25%の利上げを決定した。これは想定通りながら、相次ぐ地銀破綻による金融不安や米景気減速に対する懸念が売りを誘い、NYダウは、東京市場がきょう取引開始時まで織り込めていなかった2日から4日までの3営業日で900ドル以上の下落をみせた。前週末5日は550ドル近い急反発をみせたものの、上下にハイボラティリティな米株市場を横目に投資家の警戒ムードが高まった。インバウンド・リオープン(経済再開)関連株の一角が買われ全体を支えたが、取引時間中に外国為替市場で進むドル安・円高がハイテク主力株などに重荷となった。ただ、個別株は値上がり銘柄数が全体の6割を占め、売買代金も3兆円目前まで膨らんだ。

個別では、レーザーテック<6920>が軟調なほか、売買代金2位につけたソニーグループ<6758>も下値を試す展開に。ファーストリテイリング<9983>が売られ、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンクも安い。三井物産<8031>が軟調、資生堂<4911>の下げが目立つ。アドウェイズ<2489>が急落、マキタ<6586>、ジャムコ<7408>も大幅安。北の達人コーポレーション<2930>も値を下げた。

半面、JT<2914>が大商いで上値指向、任天堂<7974>、キーエンス<6861>も上昇した。ダイキン工業<6367>が高く、日本製鉄<5401>も堅調だった。東京鐵鋼<5445>はストップ高に買われた。JVCケンウッド<6632>が急騰、ひらまつ<2764>も値を飛ばした。ソシオネクスト<6526>が大幅高。三陽商会<8011>も買いを集め、ダブル・スコープ<6619>は活況高。ウェルネット<2428>も物色人気。