ダウ平均は下げ一服も大幅続落 米地銀への懸念が再燃=米国株後半

NY株式4日(NY時間15:39)
ダウ平均 33160.40(-253.84 -0.76%)
ナスダック 11993.60(-31.73 -0.26%)
CME日経平均先物 28655(大証終比:-475 -1.66%)

NY時間の終盤に入って、ダウ平均は下げを一服している。きょうのNY株式市場でダウ平均は大幅続落。一時476ドル安まで下落する場面も見られた。FRBが前日のFOMCで利上げ停止の可能性を示唆したにもかかわらず、株式市場の反応は冴えない。本日も米地銀株が雰囲気を圧迫しており、銀行問題への懸念が再燃している。

パックウェスト<PACW>が身売りを含めた一連の戦略的選択肢を検討していることが伝わったことや、ファースト・ホライズン<FHN>がカナダの大手銀トロント・ドミニオン<TD>との合併契約解消で合意と発表したことも懸念を高めている。それに加えて、米地銀のウエスタン・アライアンス<WAL>が身売りを含めて選択肢を検討とも伝わった。同銀は報道を否定しているが、市場が銀行問題への懸念を更に強めるには十分だった。

市場からは、「FRBが利下げを行うまで米地銀に安息は訪れないだろう。金利をこれほど高いままにしておくとストレスが続く。非常に高い確率で、さらなる米地銀の破綻が起こると考えている」といったコメントも出ている。

短期金融市場では7月までの利下げ開始を織り込む動きが出ている。しかし、パウエル議長は前日の会見で、「インフレはそれほど早くは下がらないと考えている。利下げは適切ではない」と市場の期待を否定していた。

決算では、前日引け後に携帯用半導体のクアルコム<QCOM>が発表し、モバイル機器の需要が依然として低迷していることを示した。同社の決算を受けて、本日引け後に発表を予定しているアップル<AAPL>も軟調な値動きをしている。

本日の引け後の決算はアップル<AAPL>のほか、リフト<LYFT>などが予定。

AMD<AMD>に買いが強まった。マイクロソフト<MSFT>が同社の人工知能(AI)向けプロセッサーへの進出に協力と伝わった。

オンライン旅行のトリップアドバイザー<TRIP>が決算を受け大幅安。EBITDAが予想を下回ったことを嫌気。

アルミニウム製品のアルコニック<ARNC>が大幅高。投資会社のアポロ・グローバルの関連会社が運営するファンドからの1株30ドルでの買収提案に合意した。

メディア大手のパラマウント・グローバル<PARA>が決算を受け大幅安。1株損益が予想外の赤字となったほか、フリーキャッシュフロー(FCF)も予想外の赤字となった。また、四半期配当を1株0.05ドルに79%減配するとも発表。

カナダのeコマースのショッピファイ<SHOP>が決算を受け大幅高。1株損益が予想外の黒字となった。同社はまた、この10カ月で2度目の人員削減を行い、物流事業の大部分をフレックスポート社に売却することで合意したと発表した。

不動産情報サイトのジロー<ZG>が決算を受け上昇。第2四半期のガイダンスでも予想を上回る1株利益の見通しを示した。同社のプレミア・エージェントの提供が際立って強かった。

パックウェスト<PACW> 3.38(-3.05 -47.43%)
ウェスタン・アライアンス<WAL> 18.58(-10.99 -37.17%)
ファースト・ホライズン<FHN> 10.22(-4.84 -32.13%)

クアルコム<QCOM> 106.52(-6.31 -5.59%)
トリップアドバイザー<TRIP> 15.62(-1.49 -8.68%)
アルコニック<ARNC> 28.92(+6.37 +28.23%)
パラマウント<PARA> 16.76(-6.14 -26.80%)
ショッピファイ<SHOP> 58.17(+11.90 +25.71%)
ジロー<ZG> 45.77(+4.30 +10.37%)

アップル<AAPL> 166.17(-1.28 -0.76%)
マイクロソフト<MSFT> 306.72(+2.32 +0.76%)
アマゾン<AMZN> 104.18(+0.53 +0.51%)
アルファベットC<GOOG> 105.50(-0.63 -0.59%)
テスラ<TSLA> 161.45(+0.84 +0.52%)
メタ・プラットフォームズ<META> 234.28(-2.75 -1.16%)
AMD<AMD> 87.63(+6.01 +7.36%)
エヌビディア<NVDA> 276.06(-1.96 -0.70%)