株価指数先物【引け後コメント】 権利行使価格2万9000円~2万9250円のレンジに切り上がった可能性

大阪6月限
日経225先物 29160 +290 (+1.00%)
TOPIX先物 2081.0 +23.0 (+1.11%)

日経225先物(6月限)は前日比290円高の2万9160円で取引を終了。寄り付きは2万9030円と、シカゴ日経平均先物清算値(2万9065円)にサヤ寄せする格好から、買い先行で始まった。開始直後に付けた2万9010円を安値に買い優勢となり、前場中盤には2万9150円まで上げ幅を広げた。前場終盤にかけて2万9020円まで上げ幅を縮めたものの、2万9000円は割り込まず、後場半ばにかけて再び2万9150円を回復。2万9100円辺りで保ち合い、終盤にかけて2万9170円まで買われる場面が見られた。

日経225先物は前場中盤に2万9150円まで買われ、ボリンジャーバンドの+2σ(2万9130円辺り)を上回った。+2σを捉えたことでテクニカル面での過熱感や達成感なども意識されやすい水準だった。ただし、2万9000円を上回って推移しており、薄商いのなかで断続的にショートカバーが入っていたようだ。また、為替市場ではドル円が1ドル=136円80銭台、ユーロ円が1ユーロ=150円50銭台と円安に振れて推移するなか、輸出関連株への資金流入が見られており、ショートを仕掛けづらくさせたとみられる。

なお、ボリンジャーバンドの+2σはナイトセッションで2万9215円辺りまで切り上がってきた。バンドに沿った上昇を継続するなか、ピーク感も高まりづらいところである。米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えるなかでショートポジションを圧縮する動きが中心と考えられるが、レンジの切り上がりによって、ロング筋からも若干ながら、ポジションを積み上げてくる動きが入りそうだ。

本日の日経225先物は、オプション権利行使価格の2万9000円~2万9125円辺りの狭いレンジから、2万9125円を中心とした2万9000円~2万9250円のレンジに切り上がった格好である。ボリンジャーバンドの+2σを大きくブレイクしてくるようだと、+3σが位置する2万9670円水準が意識されてくるなか、押し目狙いのロングが入りやすいだろう。

NT倍率は先物中心限月で14.01倍に低下した。一時14.06倍まで上昇する場面も見られていたが、25日移動平均線が位置する14.01倍を挟んだレンジ推移を継続するなか、NTスプレッド狙いの動きは限られていた。なお、米連邦預金保険公社(FDIC)は、米地銀ファースト・リパブリック・バンク<FRC>が経営破綻し、公的管理下に置いたと発表。同時に米銀大手JPモルガン・チェース<JPM>がFRCの預金と資産を買収すると報じられている。事前報道の内容であるが、金融株にアク抜けの動きがみられるようだと、ややNTショートを狙った動きが入りそうだ。

手口面では、日経225先物はABNアムロが2450枚、大和が410枚程度の売り越しに対して、ソジェンが2050枚、JPモルガンが940枚、ゴールドマンが420枚程度の買い越しだった。TOPIX先物はJPモルガンが1930枚、三菱UFJが1460枚、ソジェンが870枚、野村が590枚程度の売り越しに対して、バークレイズが1260枚、ゴールドマンが1150枚、BofAが850枚、UBSが690枚程度の買い越しだった。