株価指数先物【寄り前】 トトランプ関税の初動で3万5000円割れ

大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 34830 -930 (-2.60%)
TOPIX先物 2590.0 -60.5 (-2.28%)
シカゴ日経平均先物 35990 +230
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

2日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。米政権による相互関税の発表を前に売りが先行し、NYダウは360ドルほど下落する場面もみられた。その後、イーロン・マスク氏が数週間以内にDOGE(政府効率化省)から身を引くと関係者の話として報じられた。米報道官は否定したが、DOGEを巡る過度な警戒感が後退する形で買い戻しに向かわせた。

NYダウ構成銘柄では、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、アメリカン・エキスプレス<AXP>、ホーム・デポ<HD>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>、キャラクター<CAT>が上昇。半面、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>、シェブロン<CVX>、コカ・コーラ<KO>、マクドナルド<MCD>が売られた。

トランプ米大統領は2日夕、ホワイトハウスで演説し、すべての国や地域を対象に一律で10%の関税を課すことを明らかにした。相互関税として中国が34%、欧州連合(EU)は20%、日本については24%の関税を課すとした。また、輸入される自動車に追加関税を課すと正式に表明し、3日から25%の関税が上乗せされることになる。

シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比230円高の3万5990円だった。しかし、日経225先物(6月限)のナイトセッションは、波乱の展開となった。日中比60円安の3万5700円で始まり、米国市場の取引開始後に3万5310円まで売られた後はショートカバーが優勢となり、3万6510円まで買われる場面もみられた。しかし、相互関税の発表を受けて一気に3万4820円まで急落し、3万4830円とナイトセッションの安値圏で取引を終えた。

日経225先物はナイトセッションの終盤50分ほどで1690円の急落となった。初動反応としてイレギュラー的な価格形成の面はあるが、先物にサヤ寄せする形から朝方はインデックスに絡んだ売りが集中することで、日経平均株価はギャップダウンから始まりそうだ。前日には後場中盤辺りからリバランスの動きがみられていたこともあり、改めてショートポジションを積み増す動きも入るだろう。

ボリンジャーバンドは拡大傾向をみせており、-3σが3万4630円、-2σは3万5390円辺りまで下がってきた。過剰反応に対するリバウンドを意識しつつも、-2σ水準で戻りの鈍さがみられる局面では、戻り待ち狙いのショートを誘う形になりそうだ。反対に-3σに接近する場面ではイレギュラー修正を想定した押し目狙いのロング対応に向かわせそうである。そのため、オプション権利行使価格の3万4500円から3万5500円と広めのレンジを想定する。なお、-2σを上回ってくるようだと、急速にアク抜けを意識させてくる展開も考えられ、ショートカバーが強まる可能性もありそうだ。

2日の米VIX指数は21.51(1日は21.77)に低下した。一時20.68まで切り下がる場面もあったが、その後は25日移動平均線(21.70)を挟んでの推移をみせていた。トランプ関税発動後のインパクトは入っていないため、3日の動向には注目しておきたい。

昨日のNT倍率は先物中心限月で13.49倍に上昇した。13.38倍と前日の終値(13.39倍)を下回る場面もみられたが、後場中盤以降のリバランスにより、いったんNTショートを巻き戻す形になったようだ。本日はリバランスの反動から再びNTショートを誘う形になりそうだ。