日経225先物 36900 -850 (-2.25%)
TOPIX先物 2700.5 -54.5 (-1.97%)
シカゴ日経平均先物 36895 -855
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
6日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。トランプ米大統領は6日、メキシコとカナダに発動した25%の追加関税について、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に適合していれば、1カ月間延期する大統領令に署名した。NYダウは下げ幅を縮める場面もみられたが、関税政策を巡る不透明感は根強く、買いは続かなかった。関税による米景気減速への懸念も強く、リスク回避に向かわせている。
また、半導体のマーベル・テクノロジー<MRVL>が20%近く下落したことで、エヌビディア<NVDA>やブロードコム<AVGO>など他の半導体株に売りが広がったこともセンチメントを冷ます形になった。そのほか、米新規失業保険申請件数は前週から減少したことで一定の安心感はあったが、トランプ政権が連邦政府の人員削減を進めていることもあり、7日に発表される2月の米雇用統計の結果を見極めたいとする様子見姿勢も強かった。
NYダウ構成銘柄では、エヌビディアのほかアマゾン・ドット・コム<AMGN>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、ウォルト・ディズニー<DIS>、アメリカン・エキスプレス<AXP>が下落。半面、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、シェブロン<CVX>が買われた。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比855円安の3万6895円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比140円安の3万7610円で始まり、直後につけた3万7640円を高値にショート優勢の流れとなり、米国市場の取引開始時には節目の3万7000円を割り込んだ。中盤にかけて3万7460円まで下落幅を縮める場面もみられたが、終盤にかけて再びショートの動きが強まり3万6840円まで売られ、3万6900円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになりそうだ。マーベル・テクノロジーについては時間外取引で急落していたため織り込まれているが、他の半導体株に売りが波及するなか、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の重荷になるだろう。
日経225先物はナイトセッションでボリンジャーバンドの-2σ(3万7050円)を下回って終えた。ただし、バンドは下向きで推移している-2σを挟んだ-1σ(3万7800円)と-3σ(3万6300円)でのレンジ内の動きが続いている。トランプ政権の関税政策を巡る動向に振らされる展開が続くなかではポジションを組成する動きは限られ、レンジ内でのスキャルピング中心の売買になりそうだ。
-2σ水準での攻防が続くとみられ、-3σに接近する局面では押し目狙いのスタンスに向かわせよう。もっとも、米雇用統計の発表を控えているほか、来週末には3月限の先物オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)となる。今後ヘッジ対応の動きが強まる可能性もあるため、戻り待ち狙いのショートスタンスが有効になりそうである。
そのため、オプション権利行使価格の3万7000円を中心とした上下の権利行使価格の3万6500円から3万7500円でのレンジを想定する。
6日の米VIX指数は24.87(5日は21.93)に上昇した。昨年12月18日につけた28.32が射程に入ってきており、同水準を上回ってくるようだと、昨年8月5日の高値である65.73が意識されてくる可能性もあるだろう。リスク回避姿勢が高まりやすい状況である。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で13.70倍に低下した。一時13.78倍まで上昇する場面もみられたがハイテク株の弱い値動きに対して、防衛関連株が買われるなか、相対的にTOPIX型優位の流れとなった。一時13.69倍まで下げており、昨年8月6日につけた安値(13.65倍)以来の13.70倍を割り込んだ。本日もハイテク株の下げの影響からTOPIX型優位となる展開が想定されるなか、NTショートによるスプレッド狙いに向かわせやすい。