日経225先物 37700 +280 (+0.74%)
TOPIX先物 2739.5 +18.0 (+0.66%)
シカゴ日経平均先物 37695 +275
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
5日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。トランプ政権が、前日に発動したカナダとメキシコへの関税を巡り、自動車への適用を1カ月免除すると発表。また、自動車以外の業種でも猶予措置を検討する可能性があると報じられ、貿易摩擦激化への懸念がやや後退し、主力株を中心に買い戻す動きが強まった。
経済指標では2月の米ISM非製造業景況指数が53.5と2021年12月以来の高水準となったことで、米国経済の下振れリスクに対する懸念が和らいだ。ただし、2月のADP雇用統計は民間雇用者数が7万7000人増となり、市場予想を大幅に下回ったことで、7日発表の2月の米雇用統計の結果を見極めたいとする慎重姿勢もみられた。
NYダウ構成銘柄では、マイクロソフト<MSFT>、キャタピラー<CAT>、エヌビディア<NVDA>、アマゾン・ドット・コム<AMGN>、シスコシステムズ<CSCO>、ボーイング<BA>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、シャーウィン・ウィリアムズ<SHW>が買われた。半面、シェブロン<CVX>、IBM<IBM>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>、アップル<AAPL>が下落。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比275円高の3万7695円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比10円安の3万7410円で始まり、その後はショート優勢の中で下落幅を広げ、米国市場の取引開始後には3万7100円まで売られた。ただし、中盤以降はショートカバーとみられる動きが強まり、終盤にかけてプラス圏を回復し、3万7830円まで上げ幅を広げた。引けにかけては3万7700円〜3万7800円辺りで保ち合い、3万7700円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。ボリンジャーバンドの-2σ(3万7260円)を一時割り込んだが、中盤以降は同バンドを上回って推移し、-1σ(3万7960円)に接近する場面もみられた。ただし、トランプ政権の関税政策を巡る動向に振られる展開が続くなかでは、積極的なロングは限られるだろう。下向きで推移する-2σを中心とした-1σと-3σ(3万6560円)によるレンジ内での推移にとどまりそうだ。
米国株の上昇を受けて-1σを捉えてくる可能性はあるが、節目の3万8000円接近では戻り待ち狙いのショートが入りやすいとみておきたい。もっとも、自動車への関税が1カ月免除されたことでショートカバーを誘うとみられ、下値の堅さは意識されそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万7250円から3万8000円処のレンジを想定する。なお、米国の時間外取引でマーベルテクノロジー<MRVL>が大幅に下落しており、下落率は16%を超えている。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の重荷になろう。
5日の米VIX指数は21.93(4日は23.51)に低下した。一時24.84まで上昇する場面もみられたが、その後は下落に転じている。ただし、終値で20.00を上回っている状況であり、リスク選好には傾きにくいところである。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で13.74倍に低下した。一時13.80倍に上昇する場面もみられたが、その後は13.72倍まで下げた。-3σを割り込んだ水準であり、ややNTショートを巻き戻す動きを意識しておきたいタイミングだが、方向性としては昨年8月6日につけた安値13.65倍が射程に入っている状況である。戻りの鈍さがみられる局面では、NTショートによるスプレッド狙いに向かわせよう。