日経225先物 36950 -410 (-1.09%)
TOPIX先物 2686.5 -24.5 (-0.90%)
シカゴ日経平均先物 36955 -405
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
4日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。トランプ米大統領がカナダとメキシコの輸入品に関税を発動し、中国に対しては2月に発動した10%の追加関税を20%に引き上げた。報復措置として中国が米国産農産物に最大15%の関税を課したほか、カナダも米国産品に段階的課税を実施すると発表。世界的な貿易戦争へと発展するリスクが高まり、世界経済への悪影響を懸念した売りが広がった。NYダウの下落幅は800ドルを超える場面もあった。
ただし、トランプ米大統領がウクライナとの鉱物資源協議に前向きな考えを示したと伝わったことが材料視されて、為替市場では1ドル=149円台前半と円高に振れたほか、NYダウも下げ幅を縮めた。トランプ大統領は日本時間の5日午前に行われる米上下両院合同会議での施政方針演説で鉱物資源協議について説明するようである。また、S&P500指数は5700台前半まで下落し、同水準に位置する200日移動平均線まで下げたことで、押し目買いも入りやすかった。
NYダウ構成銘柄では、ボーイング<BA>、スリーエム<MMM>、アメリカン・エキスプレス<AXP>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、JPモルガン・チェース<JPM>、ウォルトディズニー<DIS>が下落。半面、エヌビディア<NVDA>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、IBM<IBM>、マクドナルド<MCD>、マイクロソフト<MSFT>が買われた。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比405円安の3万6955円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比50円安の3万7310円で始まり、その後はショート優勢の中で下落幅を広げ、米国市場の取引開始後には3万6260円まで売られた。売り一巡後はショートカバーとみられる動きが強まり、終盤にかけて3万7550円とプラス圏を回復する場面もあったが、終了間際に再びショートが強まり、3万6950円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まりそうだ。ボリンジャーバンドの-3σ(3万6540円)を割り込み、終盤にかけての切り返しにより-2σ(3万7260円)を上回る場面もみられたが、-2σ水準はキープできなかった。下向きで推移する-2σと-3σによるレンジが続くなかで、押し目狙いのロングは入りにくいだろう。米政権の関税強化を受けて貿易戦争や経済への悪影響に対する懸念が重荷となり、戻り待ち狙いのショート優勢の需給状況が続きそうだ。
まずはトランプ大統領の施政方針演説の内容やこれを受けた市場の反応を見極めたいところであり、売り一巡後は比較的底堅さが意識されそうだ。ただし、午後の取引は荒れる可能性も考えられるため、スキャルピング中心での短期的な売買に限られそうである。
バンドは下向きで推移しているためボトムは見極めにくいが、-2σが位置するオプション権利行使価格の3万7250円処での攻防を想定し、権利行使価格の3万6500円から3万7500円辺りでの推移になりそうだ。
4日の米VIX指数は23.51(3日は22.78)に上昇した。一時26.35まで切り上がり、昨年12月半ば以来の水準に上昇してきた。12月18日の高値28.32が射程に入ってきており、リスク回避姿勢が強まりそうである。12月高値を上抜けてくるようだと、8月5日の38.57が意識されてくるだろう。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で13.78倍に低下した。一時13.70倍で下げる場面もみられており、昨年8月6日につけた13.65倍に接近。同水準を割り込んでくると、2023年9月下旬につけた13.55倍が射程に入ることで、一段とNTショートに振れやすくなりそうだ。ただし、-3σまで下げてきたほか、エヌビディアが買われた流れもあり、短期的にはNTショートを巻き戻す動きも入りやすいところである。