日経225先物 37300 -560 (-1.47%)
TOPIX先物 2711.5 -23.5 (-0.85%)
シカゴ日経平均先物 37310 -550
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
3日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。2月の米ISM製造業景況指数は50.3となり市場予想(50.7程度)を下回ったことで、米経済の先行き不安が一段と広がった。項目別では仕入れ価格が2022年6月以来の水準へと大幅に上昇し、インフレ懸念につながった。また、トランプ米大統領は4日からメキシコとカナダからの輸入品に25%の関税を課す方針を改めて示したほか、中国に対する追加関税を10%から20%に引き上げる考えも示しており、NYダウの下落幅は一時900ドルを超える場面もみられた。
NYダウ構成銘柄では、エヌビディア<NVDA>の下げがセンチメントを冷やした。中国の業者が輸出規制を回避して同社のAI半導体を注文しているとの一部報道を受け、対中半導体規制が強化されるとの懸念を背景に下落率は8%を超えた。
そのほか、アマゾン・ドット・コム<AMGN>、マイクロソフト<MSFT>、シャーウィンウィリアムズ<SHW>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS>、JPモルガン・チェース<JPM>、アップル<AAPL>、キャタピラー<CAT>が値を下げた。半面、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>やコカ・コーラ<KO>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>が買われた。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比550円安の3万7310円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは日中比40円安の3万7820円で始まり、その後3万7640円まで売られた後に切り返し、米国市場の取引開始直後には3万8260円まで上げ幅を広げる場面もみられた。買い一巡後は3万7850円〜3万8100円辺りのレンジで推移。しかし、トランプ大統領の関税を巡る発言を受け、終盤にかけて下へのバイアスが強まると3万7090円まで下落幅を拡大。終了間際にショートカバーが入り下げ渋る動きもみられ、3万7300円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まりそうだ。一時3万8260円まで買われ、ボリンジャーバンドの-1σ(3万8150円)を上回る場面もあったがキープできず、その後の下げで-2σ(3万7500円)を下抜け、-3σ(3万6860円)に接近する形となった。-2σ水準で強弱感が対立すると考えられるが、抵抗線として機能するようだと-3σとのレンジが意識されてきそうだ。
日経225先物は前日の自律反発分をほぼ打ち消す形となったことで、押し目狙いのロングも手控えられそうだ。また、トランプ大統領は為替にも言及しており、通貨安の国に関税を課すと述べたようだ。これを受けて円相場は1ドル=149円台半ばと円高に振れており、為替を睨んでの展開になりそうである。
-2σと-3σによるレンジから、オプション権利行使価格の3万6875円から3万7500円の推移を想定する。3万7000円を割り込む場面ではヘッジ対応のショートの強まりが見込まれる。一方で、早い段階で-2σ水準を回復するようだと、改めて-1σを意識したトレンドに向かわせそうだ。
3日の米VIX指数は22.78(28日は19.63)に上昇した。一時24.31まで切り上がり、1月27日の高値(22.51)を突破し、昨年12月半ば以来の水準に上昇してきた。12月18日の高値28.32が射程に入ってきており、リスク回避姿勢が強まりそうである。
昨日のNT倍率は先物中心限月で13.84倍に低下した。13.90倍で始まり、13.92倍まで上昇する場面もみられたが、その後はNTショートに振れやすい需給状況となり、一時13.79倍まで低下した。前日のリバランスは入りそうだが、エヌビディアの大幅な下落の影響もあり、方向性としては昨年8月6日につけた13.65倍が目先的なターゲットになろう。