株価指数先物【寄り前】 自律反発を想定した押し目狙いのロング対応

大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38900 +300 (+0.77%)
TOPIX先物 2742.5 +12.0 (+0.43%)
シカゴ日経平均先物 38895 +295
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

3日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。トランプ米大統領は2月1日、カナダとメキシコ、中国からの輸入品への関税の賦課に関する大統領命令に署名した。関税発動が米経済や企業収益に与える悪影響が懸念されて、NYダウは一時650ドル超下落する場面もみられた。ただし、トランプ大統領とメキシコのシェインバウム大統領が会談を行い、関税発動を1カ月先送りすることで合意したと伝わると、上昇に転じる場面もみられた。経済指標では1月の米ISM製造業景況指数が50.9に上昇し、2022年10月以来となる景気の拡大と縮小の分かれ目である50を上回った。

NYダウ構成銘柄では、アップル<AAPL>、エヌビディア<NVDA>、3M<MMM>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、キャタピラー<CAT>、ゴールドマンサックス<GS>の下げが目立った。一方で、IBM<IBM>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、ウォルマート<WMT>が買われた。

シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比295円高の3万8895円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比30円高の3万8630円始まり、その後はショート優勢となりマイナス圏での推移が続くなか、米国市場の取引開始直後に3万8460円まで売られた。ただし、売り一巡後は急速に切り返しプラスに転じると、一時3万9150円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は終盤にかけて3万8800円から3万9100円辺りでの推移となり、3万8900円でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、自律反発が意識されそうである。ナイトセッションで一時3万3万8460円まで売られたが、200日移動平均線(3万8490円)水準を支持線として切り返す形となった。75日線(3万9040円)水準では抵抗線として強弱感が対立する可能性はあるものの、同水準を捉えてくる局面では25日線(3万9320円)が射程に入ってきそうだ。

また、トランプ大統領はカナダのトルドー首相と関税実施を30日遅らせることで合意したほか、中国の習近平国家主席と数日中に関税措置などを巡り会談を行う可能性があると報じられている。期待感が高まる中で押し目待ち狙いのロングが強まりやすく、ショートカバーを誘う形になろう。そのため、オプション権利行使価格の3万8500円から3万9500円のレンジを想定する。25日線を明確に上回ってくるようだと、前日の下落分を吸収してくる展開も意識されてくるだろう。

一方で75日線水準での攻防が続くようだとショートが積み上がる可能性はありそうだが、ボリンジャーバンドの-1σが位置する3万8790円辺りでの押し目狙いのロング対応に向かわせよう。

3日の米VIX指数は18.62(31日は16.43)に上昇した。75日線(16.70)、25日線(16.88)を上抜けた。一時20.42まで上昇した後に低下しているため、終値で20.00を上回ってくるまでは、過度なリスク警戒にはつながらないとみておきたい。

昨日のNT倍率は先物中心限月で14.13倍に低下した。一時14.23倍に上昇する場面もみられたが、200日線(14.23倍)に抑えられる形となった。その後は一時14.09倍まで低下しており、昨年9月以来の水準をつけた。同月の安値13.93倍が意識されやすく、方向性としてはNTショートに向かわせよう。ただし、自律反発の可能性があるなか、200日線水準へのリバランスはありそうだ。