28日の市場は日経平均が3日続落。終値は前日比548円安の3万9016円だった。前日の米ハイテク株安を受けて開始から売りが先行。日経平均は一時670円安と3万9000円台を割り込む急落商状となった。米国の長期金利の低下を受けた円高進行(一時1ドル=153円台)も圧迫要因に。一方、日銀の利上げを好感する動きが金融株中心に続きトピックスは昨日同様にプラスを維持。米国同様に主要指数間で上げ下げの明暗がくっきり分かれる異様な相場となっている。
昨日の米国市場は内需関連株に資金がシフトしてダウ平均は反発した。この日は中国企業が開発した高性能AI(生成人工知能)が米国のAI産業を凌駕するのではとの懸念から、エヌビディアを始めとした米国のAI・半導体関連株が総じて急落。一部の資金は米国の内需関連株にシフトした。その影響でダウ平均は上がったものの、半導体・ハイテク関連株の多いナスダック指数は3%を超える大幅安となった。AI分野における米国の優位性が一夜にして揺らぐ想定外の展開となった。
さて、東京市場はにわかに湧き出した米中のAI覇権逆転を織り込むなど指数では日経平均ばかりが下がる異様な展開となっている。トランプAI巨額投資発表で賑わった直後の中国高性能AI登場で、市場はまさに逆AI相場のごとくSB、電線株、半導体株が下げを主導している。つい昨日まで日経平均はザラバで4万円に乗せていたが本日は1000円も安い位置に。まさに波乱相場といえよう。(ストック・データバンク 編集部)