M7がトータルリターンの53%占める (3) 【シルバーブラットの「S&P500」月例レポート】

●米国経済

○11月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.7となり、10月の48.5から上昇しました。事前予想は48.8でした。

○11月のISM製造業景気指数は48.4となり、10月の46.5から上昇しました。事前予想は47.6でした。同指数は8ヵ月連続で景気の縮小を示すとされる水準(50を下回る)で推移しています。

○11月のサービス業PMIは56.1となりました。事前予想は57.0でした。10月は速報値の55.0から57.0に上方修正されました。

○11月のISM非製造業景気指数は、10月の56.0から低下して52.1となりました。事前予想は55.5でした。

○12月のPMI速報値は、製造業が48.3となり、11月の49.7から低下しました。サービス業は58.5となり、11月の56.1から上昇しました。

○11月の消費者物価指数(CPI)は予想通り前月比0.3%上昇しました。前年同月比では2.7%上昇(10月は同2.6%上昇)となりました。食品とエネルギーを除いたコアCPIは、予想通りに前月比では0.3%上昇、前年同月比では10月と同じ3.3%上昇となりました。

○11月の生産者物価指数(PPI)は事前予想の前月比0.3%上昇に対し、同0.4%上昇しました(10月は同0.2%上昇)。前年同月比では事前予想の2.6%に対し、同3.0%上昇しました(10月は同2.2%上昇)。コアPPIは、予想通り前月比0.2%上昇しました(10月は同0.3%上昇)。前年同月比では事前予想の3.2%上昇に対し同3.4%上昇と、10月の同3.1%上昇から加速しました。

○11月の個人所得は前月比0.3%増(事前予想は同0.4%増)、個人消費支出は同0.4%増(事前予想は同0.5%増)となりました。個人消費支出(PCE)価格指数は前月比0.1%上昇、前年同月比では2.4%上昇と、10月の同2.3%上昇から加速しました。

○2024年第3四半期のGDP成長率確報値は、事前予想が速報値と同じ前期比年率2.8%だったのに対し、同3.1%となりました。個人消費の確報値は事前予想が速報値と同じ3.5%増だったのに対し、3.7%増となりました。

○2024年第3四半期の企業利益確報値は前年同期比9.2%増でした。

○2024年第3四半期の労働生産性確報値は速報値と同じ前期比2.2%上昇(年率換算)となりました。単位労働コスト確報値は同0.8%上昇し、速報値の1.9%上昇から低下しました。

○11月の鉱工業生産指数は前月比0.1%低下しました。事前予想は同0.3%上昇でした。設備稼働率は76.8%に低下しました。事前予想では10月の77.0%から77.3%に上昇すると見込まれていました。

○10月の建設支出は、事前予想の前月比0.2%増に対し、同0.4%増となりました(9月は同0.1%増)。10月の前年同月比は5.0%増、また9月は当初発表の同4.6%増から同5.3%増に上方修正されました。

○11月の自動車販売台数(年率換算)は1660万台となりました。このうち、北米で生産された自動車の販売台数は1280万台でした。

○11月の小売売上高は前月比0.7%増となりました。事前予想は同0.5%増でした。10月は当初発表の同0.4%増から同0.5%増に上方修正されました。

○10月の卸売在庫は事前予想の前月比0.1%増に対し、同0.2%増となりました(9月は同0.2%減)。

⇒11月の卸売在庫の速報値は市場予想の前月比0.1%増に対し、同0.2%減となりました。

○11月の小売在庫の速報値は前月比0.3%増となりました。事前予想は同0.1%増でした。10月は同0.1%増でした。

○10月の企業在庫は、事前予想の前月比0.2%増に対し、同0.1%増となりました。9月は当初発表の同0.1%増から同変わらずに下方修正されました。

○10月の製造業受注は市場予想が前月比0.4%増だったのに対し、同0.2%増となりました。9月は当初発表の同0.5%減から同0.2%減に上方修正されました。

○11月の耐久財受注は事前予想の前月比0.2%減に対し、同1.1%減となりました。10月は当初発表の同0.2%増から同0.8%増に上方修正されました。

○10月の貿易収支の赤字額は9月の838億ドルから738億ドルとなりました。

⇒11月の財の貿易収支の速報値は1029億ドルの赤字となりました。輸入は前月比4.5%増(10月は同5.5%減)、輸出は同4.4%増(10月は同3.1%減)でした。

○11月の輸入物価指数は前月比0.3%低下の予想に対し、同0.1%上昇となりました。10月は当初発表の同0.3%上昇から同0.1%上昇に下方修正されました。前年同月比では1.3%上昇で、10月の同0.8%上昇から加速しました。11月の輸出物価指数は市場予想の前月比0.1%低下に対し、前月比横ばいとなりました。10月は当初発表の同0.8%上昇から同1.0%上昇に上方修正されました。11月の前年同月比は0.9%上昇で、10月の同0.1%低下から加速しました。

○12月のミシガン大学消費者信頼感指数の速報値は74.0となり、11月の71.8から上昇しました。1年先のインフレ期待は2.9%と、11月の2.6%から上昇しました。

⇒12月のミシガン大学消費者信頼感指数の確報値は市場予想通り74.0となりました。1年先のインフレ期待は2.8%となり、速報値の2.9%を下回りました。

○民間調査機関コンファレンスボードが発表した12月の消費者信頼感指数は前月から上昇の113.0が見込まれていたのに対し、前月から大幅に低下して104.7となりました。11月は当初発表の111.7から112.8に上方修正されました。

○11月の景気先行指数は市場予想の前月比0.1%低下に対して、同0.3%の上昇となりました。10月は同0.4%の低下でした。

●雇用関係

○10月のJOLTS(求人労働異動調査)によると、求人件数は774万4000件となり、9月の737万2000件(修正後)から増加しました。

○11月のADP全米雇用統計では、民間部門雇用者数が市場予想の16万5000人増に対し、14万6000人増となりました。10月は当初発表の23万3000人増から18万4000人増に下方修正されました(当初の市場予想は11万5000人増でした)。転職しなかった労働者の賃金上昇率は前年同月比4.8%、転職者の賃金上昇率は同7.2%でした。

○11月の雇用統計では非農業部門雇用者数が市場予想の20万人増を上回る22万7000人増となりました。天候や労働者のストライキにより大幅に予想を下振れた10月の非農業部門雇用者数(事前予想は12万5000増)は、1万2000人増から3万6000人増に上方修正されました。

⇒11月の失業率は予想通り、10月の4.1%から4.2%に上昇しました(9月は4.1%、8月は4.2%、7月は4.3%、6月は4.1%、5月は4.0%、4月は3.9%、3月は3.8%、2月は3.9%、1月と2023年12月、11月は3.7%、10月は3.9%、9月は3.8%でした。2020年2月は3.5%でしたが、同年5月には13.3%となりました)。

⇒労働参加率は10月の62.6%から62.5%に低下しました(9月は62.7%、8月は62.7%、7月は62.7%、6月は62.6%、5月は62.5%、4月は62.7%、3月は62.7%、2月、1月と2023年12月は62.5%、11月は62.8%、10月は62.7%、9月は62.8%)。

⇒11月の週平均労働時間は前月から増加して34.3時間となりました。10月は当初発表の34.3時間から34.2時間に下方修正されました(9月は34.2時間、8月は34.4時間、7月は34.2時間、6月は34.3時間、5月は34.3時間、4月は34.3時間、3月は34.4時間、2月は34.3時間、1月は34.2時間、2023年12月は34.3時間、11月は34.4時間、10月は34.3時間、9月は34.4時間)。

⇒11月の平均時給は前月比0.3%増の予想に対し、同0.4%増(前月の35.46ドルから35.61ドルに増加)となりました。10月は同0.4%増でした(9月は同0.3%増、8月は同0.4%増、7月は同0.2%増、6月は同0.3%増、5月は同0.2%増、4月は同0.2%増、3月は同0.3%増、2月は同0.2%増、1月は同0.5%増)。前年同月比では、11月は4.0%増(事前予想は同3.9%増)、10月は同4.0%増でした(9月は同3.9%増、8月は同3.9%増、7月は同3.6%増、5月は同4.1%増、4月は同4.0%増、3月は同4.1%増、2月は同4.3%増、1月は同4.4%増)。

○失業保険継続受給件数(季節調整済み)は、前月の190万7000件から191万件に増加しました。

⇒週間新規失業保険申請件数(当初報告通り):

→2024年12月5日発表の週間新規失業保険申請件数:22万4000件

→2024年12月12日発表の週間新規失業保険申請件数:24万2000件

→2024年12月19日発表の週間新規失業保険申請件数:22万件

→2024年12月26日発表の週間新規失業保険申請件数:21万9000件

※「M7がトータルリターンの53%占める (4)」へ続く