株価指数先物【寄り前】 トランプ大統領就任を前にいったんカバーが入りやすい

大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38830 +360 (+0.93%)
TOPIX先物 2698.5 +14.0 (+0.52%)
シカゴ日経平均先物 38795 +325
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

17日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。2024年12月の米住宅着工件数が前月比で15.8%増の年率換算149万9000戸となり、市場予想を上回ったほか、12月の米鉱工業生産も前月比0.9%増と予想を上回る伸びだった。また、国際通貨基金(IMF)は、25年の米成長率を2.7%と、昨年10月公表した予測(2.2%)から上方修正した。米経済は底堅さをみせているとの見方から、ハイテク株を中心に買いが広がった。

NYダウ構成銘柄ではアマゾン・ドット・コム<AMZN>やマイクロソフト<MSFT>、アップル<AAPL>、エヌビディア<NVDA>、キャタピラー<CAT>、シェブロン<CVX>、ゴールドマン・サックス<GS>、JPモルガン・チェース<JPM>、セールスフォース<CRM>が買われた。一方で、メルク<MRK>やトラベラーズ<TRV>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>がさえない。S&P500業種別指数では半導体・同製造装置、自動車・同部品、小売が上昇した半面、医薬品・バイオテクノロジー、運輸、保険が下落。

シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比325円高の3万8795円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは、日中比変わらずの3万8470円で始まり、3万8550円〜3万8600円辺りでの保ち合いを経て、米国市場の取引開始後には一時3万8920円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は終盤にかけてやや上げ幅を縮め、3万8830円でナイトセッションの取引を終えた。

シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。日経225先物は寄り付き後に下落する場面もみられたが、その後プラス圏を回復し、200日移動平均線(3万8500円)水準での底固めを経て、75日線(3万8970円)に接近する場面がみられた。

ナイトセッションの流れから、75日線と節目の3万9000円を捉えられるかが注目される。20日の米国市場はキング牧師の生誕祭で休場となるため、海外勢のフローは限られる。大きなトレンドは出にくいと考えられるが、直近の調整によりポジションはややショートに傾いていると考えられ、20日の米大統領就任式を前にニュートラルに近づける形でのカバーの動きが意識されやすい。

トランプ氏の大統領就任後の政権動向が注目されている。TikTokは18日、米連邦法による禁止措置を受け、米国内のサービスを停止。しかし、19日にトランプ氏が自身のSNS上で就任直後に禁止期限を90日間延長する可能性をツイートしており、一部でTikTokが再開されたと報じられている。米国ではトランプ政権による規制緩和や景気支援策への期待が高まる一方で、関税策への警戒感が高まりやすい。そのため、カバーは意識されるものの、積極的にロングを積み増す動きは期待しづらいところである。

日経225先物はナイトセッションの上昇でボリンジャーバンドの-1σを捉えてきたことで、同バンドを明確に上抜けてくるかが注目される。また、週足は-1σをサポートに中心値(13週)に接近してきており、トレンド転換が期待されそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万8500円から3万9000円のレンジを想定し、-1σ突破から75日線辺りでの底堅さがみられる局面では、権利行使価格の3万8875円から3万9250円辺りのレンジに移行しよう。一方で、200日線に接近する局面では、押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。

17日の米VIX指数は15.97(前日は16.60)に低下した。先週は13日につけた22.04を戻り高値に調整が強まり、週半ばに25日、75日線を割り込み200日線水準まで下げた。その後は200日線水準での攻防となり、週末の終値では同線を下回って終えているため、リスク選好に傾きそうだ。

先週末のNT倍率は先物中心限月で14.33倍と横ばいだった。一時14.39倍まで上昇し、75日線(14.36倍)を上回る場面もみられたが、その後は低下する形となった。75日線が抵抗として意識されやすいが、米国ではハイテク株主導で買われたこともあり、ややNTロングに向かいそうである。ただし、トランプ政権の関税政策の影響が警戒されるなか、75日線水準での攻防が続くようだと、ややNTショートが優勢になりそうだ。