株価指数先物【引け後】 不安定な状況ながら積極的なショートは避けたい

大阪12月限
日経225先物 38340 +300 (+0.78%)
TOPIX先物 2698.5 +13.5 (+0.50%)

日経225先物(12月限)は前日比300円高の3万8340円で取引を終了。寄り付きは3万8250円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8230円)にサヤ寄せする形で買いが先行した。その後は戻り待ちのショートにより現物の寄り付き直後に3万8090円まで軟化したが、3万8000円近辺では押し目狙いのロングとみられる動きが入り、前場終盤にかけて上げ幅を広げ、現物の前引け直後には一時3万8520円まで買われた。

ただし、3万8500円水準では上値の重さが意識される状況が続いており、ランチタイムで軟化すると、後場は3万8300円〜3万8430円処での保ち合いが続いた。

日経225先物は、寄り付き後に戻り売りに押される場面もあったが、その後の切り返しで200日移動平均線(3万8330円)を上回ると、ロングに加え、ショートカバーを誘う形となったようだ。節目の3万8500円近辺では利益確定に伴うロングの解消が意識されたが、後場は200日線のほか、同水準に位置する13週線を上回っての推移だったことで、ショートを仕掛けづらくさせたのだろう。

楽観視はできないものの、足もとでは75日線が支持線として機能しているため、引き続き3万8000円を下回る局面では、押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。一方で、上値は3万8500円処が心理的な抵抗となるが、200日線水準での底堅さがみられるようだと、次第に煮詰まり感からトレンドが出やすくなると考えられる。3万8500円をクリアしてくる局面では、ショートカバーが入りやすく、25日線が位置する3万8700円辺りがターゲットになりそうだ。

当面はロシア・ウクライナ情勢など地政学リスクが警戒されて、積極的にポジションを傾けにくい需給状況が続くとみられるが、現在はショートに傾いていると考えられる。上向きで推移している52週線(3万7570円)が支持線として機能する状況のなか、同線を明確に割り込んでくるようだとショートが強まろうが、反対に支持線として機能している状況のなかでは積極的なショートは避けたいところだろう。

NT倍率は先物中心限月で14.20倍に上昇した。21日の米国市場でエヌビディア<NVDA>が買われたことで、指数インパクトの大きい値がさハイテク株にはリバウンドの動きがみられており、相対的に日経平均型優位の展開である。ただし、26週線、52週線を割り込んできており、両線が位置する14.22〜14.25倍辺りが抵抗となる可能性がある。そのため、NTロングへの転換は見極めが必要であり、方向性としてはNTショートでのスプレッド狙いが有効とみておきたい。

手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万3609枚、ソシエテジェネラル証券が9185枚、サスケハナ・ホンコンが3082枚、JPモルガン証券が1775枚、バークレイズ証券が1614枚、ゴールドマン証券が1331枚、SBI証券が1112枚、auカブコム証券が859枚、野村証券が831枚、楽天証券が776枚だった。

TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万8480枚、ソシエテジェネラル証券が1万3234枚、バークレイズ証券が5258枚、JPモルガン証券が4219枚、サスケハナ・ホンコンが2510枚、モルガンMUFG証券が1915枚、ゴールドマン証券が1814枚、ビーオブエー証券が1534枚、みずほ証券が904枚、野村証券が682枚だった。