・ | 普通株式型 |
・ | 目標募集額:300万円、上限募集額:3000万円 |
・ | エンジェル税制あり(優遇措置A) |
・ | 類似上場企業:ユーグレナ <2931> [東証P]、免疫生物研究所 <4570> [東証G]、カルナバイオサイエンス <4572> [東証G]、フェニックスバイオ <6190> [東証G]、神戸天然物化学 <6568> [東証G] |
解決したい課題
Evoqueは、コオロギ由来のタンパク質の供給を通して、以下の課題の解決を目指しています。
同社によると、日本の畜産業は飼料原料(穀物や魚粉など)の多くを輸入に依存しており、供給の安定性や価格変動に対する脆弱性が課題だといいます。飼料費が畜産経営コストに占める割合は高く、牛で3〜5割、豚や鶏で5〜6割だそうです。
また、世界人口が増加する中で、タンパク質の供給不足が深刻化(タンパク質危機)。食用のほか、畜産飼料用タンパク質を安定的に供給することも課題だといいます。「食用タンパク質の増産のために畜産生産の拡大が行われていますが、そのためには畜産用飼料に配合されるタンパク質も、より多く必要となります」(同社)。
タンパク質危機を乗り切る上で、昆虫由来のタンパク質もタンパク質源として注目されており、食用や畜産用に利用する試みが世界中で行われているそうです。
「当社では、まずは国内において、畜産用にコオロギ由来のタンパク質を活用することを目指して畜産生産の拡大を支援します」(同社)
タンパク質危機は、日本にとってはタンパク源の農畜産物だけでなく、畜産飼料向けの植物性タンパク質や動物性タンパク質についても、価格の高騰や必要量の確保が難しくなることが予想されているそうです。
「激増する世界人口に対して、既存の畜産生産量の増産は大量の飼料=穀物が必要となり、森林が破壊される点や、いずれ土地も資源も追いつかなくなるなどの点が課題視されており、現実的ではありません」(同社)
さらに近年、食物生産に係る環境問題がクローズアップされ、畜産を通じたメタンガス排出による温暖化、土壌の疲弊など環境負荷が問題となっており、対応が求められているといいます。
稲作等の農業における水資源の大量消費も大きな課題となっており、地球に存在する淡水の約70%を農業で使用しているため、人口増加に伴う水不足に拍車をかけていると同社は考えています。
コオロギの驚きの栄養価とは?
(出典:CF Angels)
(1)栄養価に優れたコオロギ由来のタンパク質に着目し、衛生的・安定的・効率的な生産供給体制を確立
<小さなコオロギの驚きの栄養価>
(出典:CF Angels)
<小さな環境負荷>
(出典:CF Angels)
<経済面の優位性>
(出典:CF Angels)
<安全性と規制対応>
(出典:CF Angels)
(出典:CF Angels)
(出典:CF Angels)
(出典:CF Angels)
(2)主に国内の畜産飼料向けタンパク質として供給
国内市場向けにコオロギ由来のタンパク質を畜産飼料として供給。輸入依存を減らし、安定した供給を実現したい考えです。
同社では現在、複数の国内畜産飼料メーカーと共にコオロギ由来タンパク質の畜産飼料への配合について、実証実験を実施しています。
(3)一部を海外へ食用向けに”Japan Brand”として提供
シンガポールから食用向けコオロギ由来タンパク質(パウダー加工)を受注し、年末から「Japan Brand」として輸出する計画です。
(4)地元「指宿」の温泉資源、地元農家、地元水産加工業者との連携による、他社が直面した課題の克服
他の事業者の経営を圧迫したのがコオロギ飼育のための暖房費ですが、同社では指宿の温泉熱を利用することで、電力を使用せず、通年、コオロギ飼育に必要な25度を保つことが可能。温泉熱の利用により、タイなど諸外国より高いコスト競争力があるといいます。
エサについても、これまでの事業者にとっては大きな課題だったといいますが、同社は地元農家や水産加工業者との連携により、無農薬の規格外野菜や規格外水産加工品を利用することで、エサ代の低減につなげています。
ビジネスモデル
コオロギの大量生産は飼料としての有望性が注目されているものの、以下のような技術的・経済的な課題も指摘されているといい、同社は独自の生産システムによって、これらの課題を克服したそうです。
<克服すべきコオロギ生産の課題>
1.温度と湿度の管理
コオロギの飼育には25〜30度の温度と適度な湿度が必要であり、温度や湿度の変動が大きいと成長や繁殖に影響し、生産効率が低下。大規模施設では、この環境を安定して維持するためのエネルギーコストが高くなることが課題だといいます。
寒冷地では冬場の光熱費が約200万円と、経営におけるコスト要因となっているそうです。
2.感染症リスクと予防
コオロギも、集団飼育による病原菌感染や寄生虫のリスクにさらされるといいます。特に大規模生産では、個体が密集するため感染拡大が懸念され、予防策として、高度なバイオセキュリティが必要。また、飼育に失敗した場合の経済損失も大きいそうです。
3.飼料コストとエサの選択
コオロギが効率的に成長するためには最適なエサの配合が重要であり、コスト高となることがあるといいます。コオロギは体内でエサを生物濃縮するため、安全なエサを給仕することが不可欠だそうです。
自然界では土壌に重金属等が含有されているため、それをコオロギが体内に取り込み、体内で重金属が生物濃縮される等のリスクがあるといいます。
4.自動化と効率の課題
従来の畜産と比べて、コオロギの大量生産については自動化技術が未発達な部分が多く、人手を要する工程が多いそうです。例えば、産卵から成虫までのモニタリングや収穫工程には効率化が求められるといいます。
<同社の取り組み>
1.安全への取り組み
コオロギ食の危険性として、重金属(カドミウム等)が生物濃縮される問題がありますが、同社ではコオロギの餌にもこだわり、自社生産した無農薬飼料を提供することで生物濃縮リスクを極小化。同社のコオロギは100%ピュアオーガニックです。
2.独自の生産システム
1年以上にわたり、実証実験を実施して得られたコオロギの生育のデータに基づき、コオロギの効率的な生産を実現するために独自の生産方法(餌の栄養バランスの配合、温度・湿度、照射、環境)を確立。その結果、共食いリスクの極小化を実現しただけでなく、死亡率の低下、成虫までのリードタイムの短縮を実現したそうです。
(出典:CF Angels)
3.バイオ技術
(出典:CF Angels)
4.温泉熱利用による環境への配慮と高いコスト競争力
コオロギの生産は環境負荷が小さいといいますが、同社ではさらに指宿の温泉熱を利用し、温度管理をすることで一層の環境負荷の低減を実現。温泉熱利用により、電気代が極小化することで、タイなど諸外国と比較して、コスト競争力が高いことも強みだといいます。
5.地元農家や水産加工業者との連携、地域の産業創出と活性化
地元農家や水産加工業者と連携し、無農薬の規格外野菜(販売不能や不要部位)や規格外水産加工品を餌として利用するなど、循環型社会を実現。コオロギ生産を指宿の新たな産業として展開し、雇用創出や活性化を実現したい考えです。
マーケット
高タンパク質食の人気と世界人口の増加に伴い、家畜の増産により、畜産用飼料の市場も拡大。世界の配合飼料市場規模は、2023年の5565億9000万米ドル、2024年の5830億米ドルから、2032年には8811億8000万米ドルに成長する見込みだそうです。
配合飼料には、家畜の健康維持などのためにタンパク質が配合されており、同社のコオロギ由来のタンパク質がターゲットとする市場です。
また、畜産飼料の拡大とともに、配合されるタンパク質の需要も増加。タンパク質は家畜の成長や免疫力向上に重要な役割を果たしているそうです。
今後の成長に向けて
国内の畜産飼料市場への安定供給基盤を確立し、MADE IN JAPAN品質のコオロギ由来タンパク質として、世界の畜産飼料市場への展開を目指します。
シンガポールについては、食用のコオロギ由来のタンパク質に対して引き合いがあり、2024年12月から輸出を開始する予定です。タンパク質危機を控え、海外からの、食用のコオロギ由来のタンパク質(コオロギパウダー)の需要も拡大すると見込んでいます。
また、コオロギの自動生産システムの開発を進めており、これを兼業農家、起業家や新規事業を開始したい事業者へ販売することで持続可能な収益源を確立しつつ、畜産用飼料向けコオロギ由来のタンパク質の普及を図る計画です。
【自動生産システムの構築と増産体制】
コオロギ生産のノウハウをITシステム化し、自動化する計画です。同時に、加工技術の開発も進めており、2025年2月に加工設備を導入する予定です。
今後、コオロギの生産拡大が予測される中、自社のノウハウを活用したシステムを外販することを計画しており、コオロギマーケットの拡大に貢献していくといいます。
<自動生産システムの概要>
・24時間監視システム
・自動給仕・給水システム
・コオロギの状態による餌の自動配分システム
・自動温度・湿度管理システム
・自動照射システム
・生産ログ記録システム
<売上・収益計画>
(出典:CF Angels)
類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)
・ユーグレナ <2931> [東証P]
・免疫生物研究所 <4570> [東証G]
・カルナバイオサイエンス <4572> [東証G]
・フェニックスバイオ <6190> [東証G]・
・神戸天然物化学 <6568> [東証G]
発行者・募集情報
会社名
株式会社Evoque
設立年月日
2024年2月2日
決算期
1月
代表者
神﨑亮(代表取締役)
本店所在地
鹿児島県指宿市湊四丁目4番9号
URL
https://evoque-tech.jp/
発行する株式等の種類
普通株式
目標募集額
3,000,000円
上限募集額
30,000,000円
発行価額
1株あたり 10,000円
申込単位
10株 100,000円単位
申込期間
2024/11/20(水) 07:00 〜 2024/12/11(水) 23:59まで
申込証拠金お振込期間
申込日から起算して4営業日以内
資金使途
・上限募集額を発行する場合の払込金額の総額(上限募集額を発行の場合)
3,000万円から発行諸費用の約690万円を差し引いた後の手取概算額2,310万円については、①生産システム(1,000万円)及び②粉末加工システム(1,310万円)の開発に充当されます。
・発行総額が目標募集額(300万円)以上で上限募集額(3,000万円)未満の場合
発行諸費用を除く手取概算額(221万〜2,310万円)については、調達額に応じて生産システムの一部機能の開発を優先し、①〜②の順で充当されます。
※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、CF Angelsの下記ページをご覧ください。
▼指宿の温泉熱・AI・Iot Techを活用しコオロギ由来のタンパク質を生産、家畜飼料向けタンパク質として供給。タンパク質源の多様化と環境負荷の低減を目指す。
CFスタートアップスの強み・ポジショニング 1.スタートアップのステージに添った支援 ・株式投資型クラウドファンディング ・最先端スキームによる資本調達支援 ・上場会社・CVCとの資本提携・業務提携マッチング支援 ・EXIT(IPO、M&A)支援 2.上場会社・CVC向け支援 |