日経225先物 38290 -130 (-0.33%)
TOPIX先物 2701.5 -10.5 (-0.38%)
シカゴ日経平均先物 38275 -145
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
19日の米国市場は、NYダウ が下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。ウクライナとロシアを巡る地政学リスクの高まりが重荷となった。ウクライナ軍は米国が供与した長距離ミサイルでロシア西部の軍事施設を攻撃。これに対しロシアのプーチン大統領は核抑止力の国家政策指針(核ドクトリン)の改定を承認し、核兵器の使用基準を緩和した。リスク回避姿勢が高まり、NYダウは一時450ドル下げ、4万3000ドルを割り込む場面もみられた。ただし、25日移動平均線が支持線として機能する形で売り一巡後は下げ渋る動きだった。
ナスダック指数は続伸。20日に決算発表を控えるエヌビディア<NVDA>が5%近く上昇したほか、テスラ<TSLA>やアルファベット<GOOG>、ネットフリックス<NFLX>が買われた。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、自動車・同部品、食品・生活必需品小売が上昇した半面、保険、電気通信サービス、ヘルスケア機器・サービスが下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比145円安の3万8275円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比変わらずの3万8420円で始まり、直後に付けた3万8460円を高値に下へのバイアスが強まり、米国市場の取引開始直前には一時3万7710円まで売られた。その後は米国市場が下げ渋るなか、終盤にかけてショートカバーとみられる動きが強まり、3万8390円まで下落幅を縮めた。ただ、プラスに転じることはできず、3万8290円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まりそうだ。地政学リスクが警戒されてナイトセッションで一気に75日線(3万7790円)まで売られたが、その後はカバーの動きによって下落幅を縮めており、200日線(3万8310円)水準まで戻している。ロシアの核ドクトリン改定の一報を受けてアルゴリズムが発動し、ナイトセッションの開始直後には下落幅が一時500円を超えていた。その後はショートカバーにより持ち直しているが、引き続きウクライナ情勢が警戒される。
一方で、決算を前にエヌビディアが買われたことで、指数インパクトの大きい値がさハイテク株にも持ち高調整の動きからカバーが入りやすいだろう。エヌビディアについては決算内容のほか、懸念されている次世代の人工知能(AI)向け半導体「ブラックウェル」の動向を見極めたいところであり、東京市場でも積極的なロングは限られるものの、ショートも仕掛けづらくさせそうだ。
そのため、日経225先物は200日線水準での攻防から、若干ながらリバウンドを意識したスタンスに向かわせる可能性はあろう。また、200日線水準にはボリンジャーバンドの-1σ(3万8310円)も位置しているため、同水準での底堅さがみられてくるようだと、心理的な抵抗線となる3万8500円を捉えてくることが見込まれる。スキャルピング中心のトレードを余儀なくされるが、オプション権利行使価格の3万8000円から3万8750円のレンジを想定する。
18日の米VIX指数は16.35(前日は15.58)に上昇した。地政学的リスクの高まりが意識され、一時は17.93まで切り上がり、25日線(18.05)、75日線(18.17)に迫る場面もみられた。その後は相場の落ち着きとともに、上げ幅を縮める形だった。不安心理が高まった状態を示す20.00を下回っている状況であり、リスク回避姿勢はそれほど強まらないと考えられる。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.16倍に低下した。一時14.23倍と上昇に転じる場面もみられたが、その後は14.13倍に低下する動きもあった。本日はエヌビディアが決算前に買われたこともあり、NTショートを巻き戻す動きが入る可能性はありそうだ。ただし、トランプ次期政権による対中関税引き上げや規制強化を警戒し、NTロングに転換しづらいところでもある。そのため、リバランス中心となり大きなトレンドは出にくいだろう。