株価指数先物【引け後】 3万8000円から3万8600円辺りのレンジを想定

大阪12月限
日経225先物 38260 -410 (-1.06%)
TOPIX先物 2694.0 -15.5 (-0.57%)

日経225先物(12月限)は前日比410円安の3万8260円で取引を終了。寄り付きは3万8100円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万8015円)にサヤ寄せする形で、売りが先行して始まった。開始直後に付けた3万8010円を安値にリバウンドが強まり、200日移動平均線(3万8280円)を突破すると、前場中盤にかけて一時3万8580円まで下げ幅を縮める場面もみられた。植田和男日銀総裁の講演での発言をきっかけに、為替市場で一時1ドル=155円前半へ円安に振れたことが材料視されたようだ。講演前は1ドル=153円台で推移していた。

短期的な売買が中心とみられ、積極的なロングの動きは限られており、前場終盤にかけて3万8300円辺りまで下げ幅を広げた。後場は200日線(3万8280円)での攻防が続き、終盤にかけて3万8200円を下回る場面もみられたものの、概ね200日線を挟んだ狭いレンジ内での推移だった。

日経225先物は売り先行後にいったん下を仕掛ける動きをみせたが、節目の3万8000円は割り込まず、ショートカバーに向かわせた。その後は、植田総裁の発言をきっかけとした仕掛け的なロングによってリバウンドをみせたもののプラス圏は回復できず、前場終盤はポジション解消の流れだろう。ボリンジャーバンドの+1σ(3万8380円)水準もキープできなかったことで、ロング解消後は狭いレンジでのスキャルピング中心だった。

また、エヌビディア<NVDA>の新たな人工知能(AI)向け半導体「ブラックウェル」について、サーバー接続時の過熱問題が発生しており、投入遅延の懸念が生じていると海外メディアが報じた。グローベックスのナスダック100先物はプラス圏で推移していたが、20日のエヌビディアの決算発表が通過するまでは積極的にポジションを傾けにくい状況になりそうだ。

日経225先物は週間形状では13週線が3万8310円、26週線は3万8340円辺りに位置している。両線を中心とした3万8000円から3万8600円辺りのレンジを想定しておきたいところだろう。

本日は半導体株のほか、中外製薬 <4519> [東証P]など医薬品株の下げが日経平均型の重荷となった。15日の米国市場では、トランプ次期大統領が厚生長官に新型コロナウイルスのワクチンに懐疑的なロバート・ケネディ・ジュニア氏を起用すると発表したことが嫌気され、モデルナ<MRNA>やファイザー<PFE>など医薬品株が大きく売られた影響が出た。引き続き、トランプ次期政権の政策などに敏感に反応してきそうだ。

NT倍率は先物中心限月で14.20倍に低下した。一時14.16倍まで下げており、75日・200日線(14.29倍)を明確に下放れてきた。値がさハイテク株に加えて医薬品株への不透明感が強まるなか、NTショートに向かわせそうである。もっとも、エヌビディアの決算が通過するまでは、スプレッド狙いは手掛けにくいだろう。

手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万4556枚、ソシエテジェネラル証券が1万1354枚、サスケハナ・ホンコンが3750枚、JPモルガン証券が2349枚、モルガンMUFG証券が2349枚、バークレイズ証券が1582枚、ビーオブエー証券が1369枚、楽天証券が1349枚、SBI証券が1215枚、auカブコム証券が1161枚、だった。

TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が1万7999枚、ソシエテジェネラル証券が1万4441枚、みずほ証券が4371枚、JPモルガン証券が3932枚、ビーオブエー証券が3736枚、バークレイズ証券が3265枚、サスケハナ・ホンコンが2948枚、モルガンMUFG証券が2196枚、ゴールドマン証券が2171枚、三菱UFJ証券が710枚だった。