10月は最高値更新も月末に上昇分消す (2) 【シルバーブラットの「S&P500」月例レポート】

●主なポイント

○10月の株式市場は終値での最高値を4回更新しましたが、月末の日に値を下げ、それまでの上昇分を失う展開となりました。結局、10月は0.99%の下落となりました(配当込みのトータルリターンはマイナス0.91%)。9月は2.02%上昇(同プラス2.14%)、8月は2.28%上昇(同プラス2.43%)、7月は辛うじて1.13%上昇(同プラス1.22%)、6月と5月はそれぞれ3.47%上昇(同プラス3.59%)、4.80%上昇(同プラス4.96%)と力強い上昇を見せていました。これにより、過去3ヵ月間では3.32%上昇(同プラス3.66%)、年初来では19.62%上昇(同プラス20.97%)となり、年率換算すると23.75%上昇(同プラス25.42%)に相当します。過去1年間では36.04%上昇(同プラス38.02%)となっています。

⇒マグニフィセント・セブンのS&P500指数 の10月のトータルリターンに占める割合は若干低下しました(9月のリターンに占める割合は55.2%)。これら7銘柄のS&P500指数の年初来のリターンに占める割合は47.7%となりました(エヌビディアの同指数のトータルリターンに占める割合は25.2%)。10月は7銘柄の株価が平均して0.23%上昇したのに対して、指数構成銘柄の平均騰落率は1.74%の下落となりました。

○10月の主なデータ

⇒S&P500指数は10月も終値での最高値の更新を続けましたが、月間騰落率の6ヵ月連続での上昇とはなりませんでした。10月の騰落率は0.99%下落となりました。9月は2.02%上昇、8月は2.28%上昇、7月は1.13%上昇、6月は3.47%上昇、そして5月は4.80%上昇していました。10月は23営業日のうち11営業日で上昇しました(9月は20営業日のうち12営業日で上昇)。値上がり銘柄数が減少して、値下がり銘柄数を下回り、値上がり銘柄数が199銘柄だったのに対し、値下がり銘柄数が304銘柄となりました。9月は値上がり銘柄数が324銘柄となったのに対し、値下がり銘柄数は179銘柄でした。10月の出来高は前月比10%減、前年同月比では1%減となりました。

→10月は11セクターのうち3セクターが上昇しました。9月は8セクターが上昇、8月は9セクターが上昇しました。10月のパフォーマンスが最高となったのは金融で、2.55%上昇しました(年初来では23.48%上昇、2021年末比では18.98%上昇)。パフォーマンスが最低だったのはヘルスケアで、4.73%下落しました(同7.62%上昇、同4.11%上昇)。

⇒S&P500指数は10月に0.99%下落(配当込みのトータルリターンはマイナス0.91%)して、5705.45で月を終えました。9月は2.02%上昇(同プラス2.14%)して5762.48、8月は2.28%上昇(同プラス2.43%)して5648.40でした。過去3ヵ月では3.32%上昇(同プラス3.66%)、年初来では19.62%上昇(同プラス20.97%)、過去1年間では36.04%上昇(同プラス38.02%)となりました。2023年通年は24.23%上昇(同プラス26.29%)、2022年通年は19.44%下落(同マイナス18.11%)でした。

→S&P500指数は10月に初めて終値で5800を突破し(5815.03)、終値での過去最高値を4回更新しました。9月は5回、8月は0回、7月は7回、6月も7回過去最高値をしました(4月は0回、3月は8回、2月は8回、1月は6回)。年初来での最高値更新回数は47回となりました。2023年は0回、2022年は1回、2021年は70回でした(過去最高は1995年の77回)。

→コロナ危機前に付けた2020年2月19日の高値からは68.49%上昇(同プラス81.42%)となっています。

○米国10年国債利回りは9月末の3.78%から4.29%に上昇して月を終えました(2023年末は3.88%、2022年末も3.88%、2021年末は1.51%、2020年末は0.92%、2019年末は1.92%、2018年末は2.69%、2017年末は2.41%)。30年国債利回りは9月末の4.13%から4.48%に上昇して取引を終えました(同4.04%、同3.97%、同1.91%、同1.65%、同2.30%、同3.02%、同3.05%)。

○英ポンドは9月末の1ポンド=1.3374ドルから1.2898ドルに下落し(同1.2742ドル、同1.2099ドル、同1.3525ドル、同1.3673ドル、同1.3253ドル、同1.2754ドル、同1.3498ドル)、ユーロは9月末の1ユーロ=1.1136ドルから1.0883ドルに下落しました(同1.0838ドル、同1.0703ドル、同1.1379ドル、同1.2182ドル、同1.1172ドル、同1.1461ドル、同1.2000ドル)。

円(対米ドル)は9月末の1ドル=143.71円から152.08円に下落し(同141.02円、同132.21円、同115.08円、同103.24円、同108.76円、同109.58円、同112.68円)、人民元は9月末の1ドル=7.0180元から7.1183元に下落しました(同7.1132元、同6.9683元、同6.3599元、同6.6994元、同6.9633元、同6.8785元、同6.5030元)。

○10月末の原油価格は2.5%上昇し、9月末の1バレル=68.86ドルから同70.57ドルとなりました(2023年末は同71.31ドル、2022年末は同80.45ドル)。米国のガソリン価格(EIAによる全等級)は10月に2.5%下落し、1ガロン=3.220ドルとなりました(9月末は3.303ドル、2023年末は同3.238ドル、2022年末は同3.203ドル、2021年末は同3.375ドル)。2020年末から原油価格は45.7%上昇し(2020年末は1バレル=48.42ドル)、ガソリン価格は38.2%上昇しました(2020年末は1ガロン=2.330ドル)

⇒2024年9月時点のEIAの報告によると、ガソリン価格の内訳は、53%が原油、20%が販売・マーケティング費、11%が精製コスト、16%が税金となっています。

○金価格は9月末の1トロイオンス=2654.50ドルから上昇し、2757.80ドルで10月の取引を終えました(2023年末は2073.60ドル、2022年末は1829.80ドル、2021年末は1901.60ドル、2020年末は1520.00ドル、2019年末は1284.70ドル、2018年末は1305.00ドル)。

○VIX恐怖指数は9月末の16.73から23.16に上昇して10月を終えました。月中の最高は23.42、最低は16.61でした(2022年末は21.67、2021年末は17.22、2020年末は22.75、2019年末は13.78、2018年末は16.12)。

⇒同指数の2023年の最高は30.81、最低は11.81でした。

⇒同指数の2022年の最高は38.89、最低は16.34でした。

⇒同指数の2021年の最高は37.51、最低は14.10でした。

⇒同指数の2020年の最高は85.47、最低は11.75でした。

○目標株価は引き続き上昇しています。S&P500指数に対する市場関係者の1年後の目標株価は2023年11月末時点から11ヵ月連続で上昇し、現在値から12.1%上昇の6394となっています(9月末時点では8.7%上昇の6265、8月末時点では6238)。それ以前の目標値は、9カ月連続の低下から11ヵ月連続の上昇を経て、2023年11月まで2ヵ月連続で低下していました。

ダウ平均の目標株価も3ヵ月連続の上昇から2ヵ月連続の下落を経て、10月まで11ヵ月連続して上昇し、現在値から9.4%上昇の4万5704ドルとなっています(9月末時点では5.1%上昇の4万4468ドル、8月末時点では4万4282ドル)。

※「10月は最高値更新も月末に上昇分消す (3)」へ続く