株価指数先物【引け後】 -1σまでの調整を経てショートカバーの動き

大阪12月限
日経225先物 38160 +90 (+0.23%)
TOPIX先物 2634.5 -2.0 (-0.07%)

日経225先物(12月限)は、前日比90円高の3万8160円で取引を終了。寄り付きは3万7840円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万7850円)にサヤ寄せする形で、売りが先行した。ただし、現物の寄り付き直後に付けた3万7730円を安値にショートカバーが強まり、前場中盤にかけて3万8360円まで買われる場面もあった。前場終盤にかけて3万8130円まで上げ幅を縮めたが、ランチタイムで買い直され、後場の取引開始時には3万8290円を付けている。その後、後場中盤に3万8030円と再び下落に転じる場面もみられたが、終盤にかけて買い戻されてプラス圏で取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で始まった後は、ショートカバーの動きが強まった。ナイトセッションで200日移動平均線を割り込み、ボリンジャーバンドの-1σ水準まで下げたことで、いったんはリバランスが入りやすい水準だった。また、米国では取引終了後に決算を発表したテスラ<TSLA>が時間外取引で急伸。グローベックスのナスダック100指数先物がプラス圏で推移していたことも買い戻しに向かわせたようだ。

加えて、国内では決算への反応が注目されたニデック <6594> [東証P]が、買い気配で始まったこともセンチメントの改善につながった。寄り付き直後に下落に転じる場面もみられたが、前日終値を挟んで底堅さが意識され、後場に入り買い戻されたことで、アドバンテスト <6857> [東証P]や東京エレクトロン <8035> [東証P]など他の半導体関連へ買いが波及した。

そのため、日経225先物は朝方に売られた後は、75日移動平均線(3万8030円)を上回っての推移となった。衆院選を前にリバウンド狙いのロングは入りにくいが、足もとの政治リスクを織り込む形でショートが積み上がっていたと考えられ、ショートサイドの利益確定に伴うカバーの動きが入ったとみられる。

衆院選の結果を見極めたいところであり、方向感は定まらない状況だが、75日線のほか200日線が3万7960円辺りに位置しているため、3万8000円を下回る局面では押し目狙いのロング対応に向かわせる可能性はありそうだ。また、先日のディスコ <6146> [東証P]に続いて、ニデックの決算反応も良好だったことで、本格化する決算に対する期待感もショートを仕掛けづらくさせよう。

なお、ボリンジャーバンドは収斂してきており、日柄的にも衆院選明け後にはトレンドが出やすいタイミングになりそうだ。オーバーウィークのポジションは考えにくく、明日もスキャルピング中心のトレードとなりそうだ。

NT倍率は先物中心限月で14.48倍に上昇した。前日までの低下で支持線として意識される25日線水準まで下げていたことで、リバランスが入りやすいところだった。本日はアドバンテストなど指数インパクトの大きい値がさハイテク株が買われ、相対的に日経平均型優位の展開になった。

手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が1万6773枚、ソシエテジェネラル証券が1万0652枚、サスケハナ・ホンコンが3024枚、SBI証券が2286枚、バークレイズ証券が2142枚、JPモルガン証券が1908枚、モルガンMUFG証券が1516枚、ゴールドマン証券が1179枚、auカブコム証券が1009枚、ドイツ証券が774枚だった。

TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万2583枚、ソシエテジェネラル証券が1万5421枚、バークレイズ証券が3922枚、モルガンMUFG証券が2872枚、サスケハナ・ホンコンが2750枚、JPモルガン証券が2684枚、ゴールドマン証券が2035枚、ビーオブエー証券が1793枚、シティグループ証券が941枚、広田証券が747枚だった。