日経225先物 37840 -230 (-0.60%)
TOPIX先物 2620.5 -16.0 (-0.60%)
シカゴ日経平均先物 37850 -220
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
23日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。米連邦準備理事会(FRB)による追加利下げのペースが緩やかになるとの観測から、米長期金利の上昇が続いており、相場の重荷となった。また、米大統領選まで2週間を切り、接戦が続く選挙後の波乱を警戒した持ち高調整の動きも強まった。
主力ハイテク株を中心に売りが広がったほか、個別ではマクドナルド<MCD>が5%超の下落し、1社でNYダウを100ドルほど押し下げた。米疾病対策センター(CDC)が、同社商品が大腸菌の集団感染と関連していると発表したことが嫌気された。S&P500業種別指数は電気通信サービス、不動産、公益事業が上昇した一方で、半導体・同製造装置、消費者サービス、メディアが下落。
なお、取引終了後に四半期決算を発表したテスラ<TSLA>は、中国での販売回復を背景に3四半期ぶりに増益となった。予想を上回る決算を受け、時間外取引では9%を超える上昇をみせている。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比220円安の3万7850円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比100円高の3万8170円で始まり、直後につけた3万8200円を高値に軟化し、3万7860円まで下落した。米国市場の取引開始後に3万8040円まで下げ幅を縮めたが、プラス圏を回復できず、その後はショート優勢の需給状況のなか、3万7640円まで下落する場面もみられた。終盤にかけてはショートカバーが入り、3万7840円でナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まりそうだ。想定されていたとはいえ、ナイトセッションで200日移動平均線(3万7930円)を割り込み、ボリンジャーバンドの-1σ(3万7630円)水準まで売られた。-1σまで下げてきたことで、いったんはリバウンド狙いのスタンスに向かわせると考えられるが、戻り待ち狙いのショートが膨らみやすいだろう。早い段階で200日線を上回ることができないと、下へのバイアスが強まりそうだ。
テスラが時間外取引で大きく買われていることもあり、積極的にはショートを仕掛けにくい面はある。ただし、米国では大統領選が迫るなか、一部のファンドではトランプ前大統領の勝利に賭けたポジションを組成する動きも出てきているようだ。国内でも衆院選を前に与党の過半数割れを織り込む動きが強まっており、ショート優位の需給状況であろう。
米長期金利が上昇し、為替市場では円相場が一時1ドル=153円台に乗せている。国内では与党が過半数割れとなれば、日銀は利上げを行いづらくなるとみられている。日米金利差を狙った海外投資家の動きが注目されるものの、政治リスクを嫌う海外勢のトレードは限られそうである。
日経225先物は週間形状で13週線(3万7680円)まで下げてきた。同線を明確に下回ってくるようだと、52週線が位置する3万6970円が射程に入ってくる。ただし、テスラ効果のほか、昨夕に2025年3月期第2四半期決算を発表したニデック <6594> [東証P]は、米預託証券(ADR)で小幅に上昇している。ディスコ <6146> [東証P]同様に、アク抜けの動きをみせてくるようだと、ショートを仕掛けづらくさせそうだ。
そのため、オプション権利行使価格の3万7500円から3万8500円のレンジを想定する。200日線辺りでの攻防が続くようだと、3万7500円から3万8000円の推移とみておきたい。
なお、21日の米VIX指数は19.24(前日は18.20)に上昇した。一時18.19まで低下する場面もみられたが、75日線(18.19)が支持線として機能する形での上昇となった。ただし、NYダウは400ドルを超す下落となったものの、不安心理の高まりを示すとされる20.00を下回っている状況である。慎重姿勢ではあるが、リスク後退には向かわないだろう。
NT倍率は先物中心限月で14.43倍に低下した。指数インパクトの大きい値がさ株が弱い半面、自動車株が買われるなど、相対的にTOPIX型優位の展開になった。支持線として意識される25日線が14.40倍辺りに位置しており、いったんはリバランスが入りやすい水準である。反対に同線を下回ってくると、目先的にはNTショートによるスプレッド狙いが強まりやすくなりそうだ。