株価指数先物【引け後】 ショートが仕掛けやすい需給状況

大阪12月限
日経225先物 38430 -590 (-1.51%)
TOPIX先物 2653.0 -29.5 (-1.09%)

日経225先物(12月限)は前日比590円安の3万8430円で取引を終了。寄り付きは3万9050円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万9025円)にサヤ寄せする形から、小幅に上昇して始まった。ただし、寄り付き直後につけた3万9060円を高値に下へのバイアスが強まり、現物の寄り付き時には3万9000円を割り込んだ。さらに前場の中盤にかけて「海外の短期筋がショートを膨らませている」との観測が伝わるなか、ロング解消が加速し、一時3万8200円まで急落。前場終盤にかけて下げ渋り、3万8400円〜3万8500円処辺での推移となったが、このレンジの動きは後場の時間帯においても続いた。

日経225先物は下へのバイアスが強まったことで、ヘッジ対応の動きが加速した。衆院選を控えて、与党による過半数の議席獲得は微妙との見方を背景に、ショートが膨らんだとみられる。これにより、25日移動平均線(3万8390円)を下回り、75日線(3万8100円)に接近する形となった。売り一巡後は25日線を上回って推移していたほか、週間形状では26週線(3万8290円)が支持線として機能する形だったため、オプション権利行使価格の3万8375円辺りで踏ん張りたいところである。

ただし、同水準を下回ってくる局面では、短期的ながらも75日線のほか、200日線が位置する3万7910円辺りをターゲットとしたショートの動きが警戒されてきそうだ。また、200日線も割り込むと、ボリンジャーバンドの-1σ(3万7460円)とのレンジに移行する可能性も意識しておきたい。

もっとも、衆院選を前に積極的なロングが手控えられるなか、政治リスクを手掛かりとしたショートを仕掛けやすい需給状況だったとみられる。衆院選通過までは関連する報道などに振られやすく、スキャルピング中心のトレードにならざるを得ないだろう。衆院選後はショック安となる可能性はあるものの、決算発表が本格化するなかで業績面に投資家の関心が向かいやすい。

米国市場の流れを受けて、朝方はアドバンテスト <6857> [東証P]やディスコ <6146> [東証P]、東京エレクトロン <8035> [東証P]など半導体株が買われる場面もみられたが、前場中盤にかけて売られた。その後、ディスコは後場に入り強含む場面もみられたが、プラス圏をキープできなかった。本日は値がさハイテク株のほか、ファーストリテイリング <9983> [東証P]が1社で日経平均株価を約150円下押しており、日経平均型のショートの影響が大きかった。

なお、NT倍率は先物中心限月で14.48倍に低下した。14.55倍と上昇して始まり、一時14.59倍まで上げる場面もみられた。ただし、値がさハイテク株の一角が売られるなか、上値は抑えられた。もっとも、足もとでは14.45〜14.60倍辺りで推移しており、14.50倍を中心とした短期的なリバランスの影響を受けているようだ。

手口面(12月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万0482枚、ソシエテジェネラル証券が1万5444枚、JPモルガン証券が4021枚、サスケハナ・ホンコンが3776枚、バークレイズ証券が2570枚、SBI証券が1920枚、モルガンMUFG証券が1864枚、ゴールドマン証券が1408枚、シティグループ証券が1373枚、みずほ証券が1258枚だった。

TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万4879枚、ソシエテジェネラル証券が1万8414枚、バークレイズ証券が5462枚、JPモルガン証券が3576枚、サスケハナ・ホンコンが3130枚、モルガンMUFG証券が2794枚、ビーオブエー証券が1879枚、ゴールドマン証券が1736枚、シティグループ証券が1417枚、SBI証券が1337枚だった。