株価指数先物【寄り前】 3万9000円を下回る局面ではロング対応

大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 39140 +120 (+0.30%)
TOPIX先物 2688.5 +6.0 (+0.22%)
シカゴ日経平均先物 39025 +5
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

21日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が下落した一方で、ナスダックは上昇。米経済の底堅さから11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置くとの見方が高まった。米長期金利は7月下旬以来の高水準を付けた。NYダウ、S&P500は最高値更新で過熱感や高値警戒感が意識されやすく、長期金利の上昇を背景に主力株の一角には利益確定の売りが出やすかった。

エヌビディア<NVDA>は人工知能(AI)向け半導体需要を期待した買いが入り、上場来高値を更新。アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>など半導体株の一角が買われ、ナスダックは4日続伸。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、テクノロジー・ハード・機器の2セクターのみが上昇した半面、耐久消費財・アパレル、不動産、医薬品・バイオテクノロジー、銀行、食品・飲料・タバコが下落。

シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比5円高の3万9025円だった。日経225先物12月限)のナイトセッションは日中比70円高の3万9090円で始まり、その後下落に転じ3万8970円まで売られた。米国市場の取引開始後にロングの動きが強まり、3万9160円とプラスに転じる場面もみられた。買い一巡後は再び下へのバイアスが強まり、一時3万8750円まで売られたが、終盤にかけて再び切り返しており、3万9140円でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、小動きで始まることになりそうだ。ナイトセッションで一時3万8750円まで売られる場面もみられたが、3万9000円を割り込んだ後の戻りは速く、短期的にショートに押される局面では、押し目狙いのロング対応になりそうだ。米国市場では長期金利の上昇が利益確定に向かわせる形となったが、エヌビディアの上昇が指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料になろう。

為替市場では円相場が1ドル=150円台後半と円安に振れて推移しており、輸出関連などの一角にも資金が入りやすいとみられる。また、昨日はメガバンクの弱さが目立っていた。ハイテク株が買われるなかでリバランスのほか、衆院選を控えて持ち高調整の動きもあったとみられる。トレンドの出にくい状況であるが、3万9000円を挟んだレンジとなりそうだ。

そのため、オプション権利行使価格の3万8875円から3万9375円のレンジを想定する。レンジを放れてきたとしても、3万8500円から3万9500円辺りでの推移になるだろう。積極的にポジションを傾けてくる動きはなく、スキャルピング中心のトレードになろう。

なお、21日の米VIX指数は18.37(前日は18.03)に上昇した。足もとで緩やかな低下傾向が継続するなかで、前週末には支持線として意識されていた25日移動平均線(18日:18.49)を下回ってきことで、いったんはリバウンドが入りやすいところだ。ただ、不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を下回っている状況のなか、リスク選好に傾きやすい。

昨日のNT倍率は先物中心限月で14.54倍に上昇した。一時14.45倍まで下げる場面もみられたが、値がさハイテク株が日経平均型を支える形となった一方で、後場に入りメガバンクなどTOPIX型の売りが目立ったことが影響した。リバランスが中心とみられるが、ハイテク株への物色が意識されてややNTロングに振れやすいだろう。