・ | 新株予約権型 |
・ | 目標募集額:1494万円、上限募集額:4005万円 |
・ | 類似上場企業:エクサウィザーズ <4259> [東証G]、サイエンスアーツ <4412> [東証G]、エコナビスタ <5585> [東証G]、くすりの窓口 <5592> [東証G]、HYUGA PRIMARY CARE <7133> [東証G] |
要介護者のデータをリアルタイムで取得
COMZOWの新保隆義代表は、大手自動認識ソリューションメーカーのサトーホールディングス <6287> [東証P]でバーコード技術や顔認証などの導入業務に携わってきました。
認知症の祖父が街中や介護施設内を徘徊(はいかい)し、行方不明になった経験があり、当時、祖父を見守ることができなかった後悔から、「テクノロジーによる介護の質向上」を志向するようになったそうです。
システム開発の知見を生かして、2023年、非接触型センサーによる新しい見守りシステムの開発に着手しています。
(出典:FUNDINNO)
COMZOWは、介護士が使いやすい機能に特化した見守りシステムとして、非接触型センサー「Comfort a.i.s(コンフォートアイズ)」を開発しています。同システムは、マイクロ波技術(※)とAIを組み合わせ、介護が必要な人々のバイタルデータをリアルタイムで取得、分析できるというものです。
また、複数の利用者を同時にモニタリングし、施設全体の見守りも可能で、介護士の目に頼らない24時間の見守りを実現。AIによるデータ分析と異常検知を作用させて、転倒や徘徊のリスクも低減します。さらに、排泄(はいせつ)ケアの適切なタイミングを把握する機能を追加するなど、介護記録の自動化に貢献するそうです。
2025年4月に販売開始予定で、将来的には、千葉大学フロンティア医工学センター副センター長・兪文偉教授と開発する、排泄のタイミングを予測する機能追加も計画しています。
※通信やGPSによる測位システムなどに用いられる、300MHz〜300GHzの周波数を持つ電磁波(同社注)
同社は介護施設向けのDX・リスキリング研修により、スタッフのデジタルリテラシー向上を支援しているほか、助成金・補助金を活用したシステム導入のサポートを通じて、介護現場のDX推進と人材育成を同時に実現したい考えです。
「将来的には、在宅介護や保育施設など見守りが必要な他分野への展開も視野に入れており、社会全体の安全と効率化に貢献することを目標としています」(同社)
同社は「成長のための課題」「解決方法」として以下を挙げています。
【成長のための課題】
・介護施設への導入促進と初期費用の障壁克服
・介護スタッフのデジタルリテラシー向上とシステム活用の促進
・非接触型センサー技術の信頼性と精度の向上
【解決方法】
・産学連携による技術開発の加速と実証実験の実施
・リスキリングに関する助成金を活用した低コスト導入モデルの構築
深刻な介護サービス提供者の人材不足
(出典:FUNDINNO)
同社によると、日本では急速な高齢化に伴い、介護を必要とする人が急増。2040年には介護職員が約272万人必要になると推計されており、認知症の患者数も約1200万人に増加する見込みだといいます。
一方で、支える側の現役世代は2040年までに約1100万人減少すると予測され、特に介護サービス提供者の人材不足は深刻ですが、多くの介護施設ではまだ、手書きの介護記録が主流で、記録の作成や管理に多くの時間を費やしているそうです。
「入居型の施設ではITデバイスの導入率は高い傾向にあり、ベッド上に設置する離床センサーの導入率は7割近くとなっていますが、その他のサービスは導入が進んでいません」(同社)
認知症の場合、徘徊のリスクが高まり、排泄ケアも行う必要があるため、介護スタッフの負担は大きくなりますが、カメラによる監視は利用者のプライバシーを侵害する可能性があり、また、ウェアラブルデバイスを装着する方法は、着け忘れや煩わしさという課題のほか、多数の入居者の居場所を正確に把握できないなどの問題があるそうです。
さらに、センサーを導入しても「かえって業務負担が増えた」と多くの介護士が回答するなど、機器を使いこなすためにスタッフの習熟が必要であることも導入の障害だといいます。
「ベッド上での体重移動・寝返りだけでセンサーが誤作動し、不要なアラームが鳴るなど信頼性の面でも課題があります。限られた人数で、細心の注意を払いながら高齢者の安心・安全を守らなければなりませんが、システムの進化の遅れによって、介護スタッフの肉体的・精神的負担は大きくなっています」(同社)
市場の魅力・事業内容・ビジネスモデル・特徴
(出典:FUNDINNO)
介護保険制度における2023年度の介護費用は約11.5兆円と、国内介護市場は高齢化の進行に伴い、さらに成長していくと同社は見込んでいます。また、人材不足を背景に、労働環境の改善によって離職を防ごうという動きもあり、「見守りシステムは伸長性の高い市場だと考えています」(同社)。
政府は「介護現場の生産性向上」を重点政策の一つに掲げ、ICT導入支援事業など各種助成金制度や支援策を設定。2021年度の介護ロボット・ICT導入支援事業の予算額は約38億円で、「このような政策的バックアップにより、市場の拡大が加速すると期待されます」(同社)。
(出典:FUNDINNO)
(出典:FUNDINNO)
同社はマイクロ波技術とサーモグラフィー、AIを組み合わせた非接触型センサーシステム「Comfort a.i.s」を開発中です。これにより、入居者に接触することなく、体温や心拍数などの基礎的なバイタルデータを取得。これをAIに学習させれば、同じ空間に入居者が複数いる場合でも、誰のデータかを瞬時に判別できるといいます。
また、ウェアラブルデバイスの装着忘れや、カメラによるプライバシー侵害の問題を解決するほか、離床型センサーのような誤作動のリスクも低減できるそうです。
「こうした特徴から、居室やトイレ、風呂などのプライベート空間にも設置可能で、位置情報による転倒や徘徊の検知に加えて、温度変化による排泄の検知など複数の機能を1つのシステムで実現します」(同社)
「Comfort a.i.s」は、介護現場の多様なニーズに対応するため、入居者の状態や必要に応じて、監視する項目やアラートの設定を個別にカスタマイズ可能。不要な機能をオフにすることで、コスト削減と業務の簡素化につながるそうです。
前モデルで行った実証実験では1カ月の総残業時間が約20時間減少するなど、介護スタッフの夜間を中心とした巡回業務の負担軽減が可能。「介護記録を手作業で作らなくても、『Comfort a.i.s』の見守りの履歴が家族への説明資料や、医師などへの相談や報告の基礎資料に活用できる点も魅力だと自負しています」(同社)。
(出典:FUNDINNO)
介護施設にとって、従来のセンサーやカメラは設置費用がネックでしたが、同社は補助金により、システム導入時の初期費用を半額以下に抑えることで、導入のハードルを大幅に下げており、約60人居住する介護施設の初期費用の目安は約100万円。
ランニングコストはセンサーでデータを読み取る利用者のみにかかり、1人あたり月額500円(税別)で、「開発コストを大幅に抑制したほか、今後の導入施設数増加に伴い、センサー1台の製造コストはさらに低減できると見込んでいます」(同社)。
原則的には、各施設で運用できるよう初期研修を行いますが、遠隔でのシステム管理や有償のサポートも提供。介護事業者が一度システムを導入すれば、介護記録の継続性やスタッフの再教育コストなどの観点から他社製品へと乗り換えにくいため、長期的に顧客を確保し、高いLTV(顧客生涯価値)を実現できる可能性があるそうです。
IT化が遅れがちな介護業界では、不慣れなシステムの利用により、業務効率が下がってしまう事例もあるといいますが、同社は「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」制度を活用し、介護スタッフのデジタルスキル向上のための補助金を利用。「ITリテラシーを身につけるための研修を実施し、補助金をシステム導入コストの一部に充てることで、施設側の心理的負担も軽減します」(同社)。
(出典:FUNDINNO)
同社には介護施設での実務経験がある営業メンバーがいるほか、埼玉県内で介護事業者向けのアドバイザー事業を行う協力者もおり、介護施設とのパイプがあるそうです。
過去のモデルの導入に前向きだった20団体・約100施設にも提案できる状況だといい、今後、実証実験・試験導入をスムーズにスタートできると見込んでいます。
また、フォーバル <8275> [東証S]との営業協力を通じて、中小・小規模企業のDX化の促進に不可欠な独自サービスとツールの提供を受けているほか、兪文偉・千葉大学教授のアドバイスの下、排泄を予知するシステムの開発にも着手する予定。「千葉大学との産学連携開発となり、開発に向けては医学部などからも協力が得られる想定です」(同社)。
今後の成長に向けて
(1)2028年よりIPO準備開始
(出典:FUNDINNO)
(2)短期計画
年内にシステムの最終的な組み込みを終え、2025年4月から本格的に販売をスタートさせる計画です。
まずは小ロットでの製造・導入により、さまざまな地域や形態の施設で利用実績を積んでいきたい考えで、リスキリング関連の助成金を活用することで、導入施設数が少ない段階でも黒字化できると見込んでいます。
その後、展示会出展による「Comfort a.i.s」の認知度向上と代理店網の拡大を図り、介護機器取り扱い商社や福祉用具レンタル事業者など代理店候補の獲得にも注力。「リスキリングに関する助成金を活用した導入支援プログラムの説明も行い、導入障壁の低さを訴求します」(同社)。
(3)中長期計画
介護施設での導入実績と知見を生かして、在宅介護市場への展開を図る計画です。高齢者の独居世帯や老老介護世帯が増加し、安全で効率的な在宅見守りシステムへのニーズは高まっていると見ています。
「Comfort a.i.s」の非接触型センサー技術を活用して、プライバシーに配慮しつつ、24時間の安全な見守りを実現する家庭用システムの開発を推進。地方自治体や在宅介護サービス提供事業者との連携も視野に、地域包括ケアシステムの一翼を担うことを目指すそうです。
また、介護分野で「見守りシステムナンバーワン」を目指しつつ、介護施設以外の分野への展開も計画。保育園などでは、乳幼児の突然死症候群(SIDS)予防のための見守りシステムとしての活用を、製造業では、工場作業員の健康状態モニタリングによる労働安全性の向上などに貢献できると見込んでいます。
「ほかにも、自動車の運転中やペットの見守り、無人店舗の監視などの用途が考えられます。異なる分野でのデータ収集はAIの学習データの充実に寄与し、社会に大きなインパクトをもたらす可能性があると考えています」(同社)
(4)2031年に「Comfort a.i.s」利用者数約4.2万人を計画
(出典:FUNDINNO)
類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)
・エクサウィザーズ <4259> [東証G]
・サイエンスアーツ <4412> [東証G]
・エコナビスタ <5585> [東証G]
・くすりの窓口 <5592> [東証G]
・HYUGA PRIMARY CARE <7133> [東証G]
発行者・募集情報
■募集新株予約権の発行者の商号及び住所、資本金等
COMZOW株式会社
千葉市中央区中央港1-20-21
資本金:9,900,000円(2024年9月13日現在)
発行済株式総数:198株(同)
発行可能株式総数:1,000株
設立日:2020年3月4日
決算日:2月28日
■本新株予約権の発行者の代表者
代表取締役 新保隆義
■本新株予約権の数(以下の個数を上限とする)
4,005個
■本新株予約権の払込金額
1個あたり 10,000円
■投資金額のコース及び個数
90,000円コース(9個)
180,000円コース(18個)
270,000円コース(27個)
360,000円コース(36個)
450,000円コース(45個)
900,000円コース(90個)
1,800,000円コース(180個)
2,700,000円コース(270個)
3,600,000円コース(360個)
4,500,000円コース(450個)
9,000,000円コース(900個)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、450,000円コース(45個)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、9,000,000円コース(900個)を上限とする。
■申込期間
2024年10月22日〜11月5日
■目標募集額
14,940,000円(上限募集額 40,050,000円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は32,040,000円とする。
■払込期日
2024年11月28日
■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額1,494万円を以下の目的に充てる予定。
開発人件費 900万円
広告費用 120万円
営業費用 145万円
手数料 328万円
・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額2,511万円(目標募集額1,494万円と上限募集額4,005万円との差額)を以下の目的に充てる予定。
開発人件費 100万円
サーバー・データベース費用 1,000万円
開発費用 400万円
広告費用 250万円
営業費用 208万円
手数料 552万円
■連絡先
COMZOW株式会社
電話番号:043-243-1413
メールアドレス:info@comfort-zone.co.jp
※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。
▼〈従来比約1/3の低価格〉千葉大学協力のマイクロ波×AI高齢者見守りシステム。報酬改定を追い風に上場企業とのタッグで全国の介護現場をDX「COMZOW」