17日の市場は日経平均が続落。終値は前日比269円安の3万8911円で今月8日以来の3万9000円割れとなった。前日の米株上昇を受けて序盤は高く始まったが、思った以上に上値が重く10時前にはゆるゆるとマイナス圏へ転落。午後に台湾の半導体受託製造大手TSMCの決算発表を控え、先行して利益確定売りが出ていることも影響した。取引終盤に同社が好決算を発表。市場は一時好反応を示したものの、最終的には材料出尽くしなのか指数は安値引けとなってしまった。
昨日の米国市場は金融株に買いが入りダウ平均は反発。2日ぶりに史上最高値を更新した。朝方発表された金融大手モルガンスタンレーの決算が事前予想を上回り、同社株が引っ張る形で金融セクターが大きく上昇した。前日に悪材料が重なって下げた半導体株が持ち直したことも投資家心理を明るくさせた模様。特にAI関連の見通しが依然として良かったことはプラスに働いた。インフレの落ち着きと利下げ、業績回復の連鎖が引き続きリスクマネーを呼び込み好循環を生んでいる。
さて、東京市場は米株高や米半導体株下げ止まりを受けて反発すると思われたが、上値重く、台湾の半導体大手TSMCの決算に振り回される奇妙な1日となってしまった。同社は過去最高決算ではあったもののなぜか売買が錯綜して上下に荒れる動き。日経平均は安値引けと意外な終わり方をしたが、先物は現物より200円近く高く引けており、ちょっとした消化難の状態に陥っている。(ストック・データバンク 編集部)