株価指数先物【寄り前】 ポジションをニュートラルにしておきたいところ

大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 39420 +110 (+0.27%)
TOPIX先物 2718.5 +9.5 (+0.35%)
シカゴ日経平均先物 39370 +60
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

10日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。注目されていた9月の米消費者物価指数(CPI)は、エネルギーと食品を除くコア指数が前月比0.3%上昇となり、市場予想(0.2%程度)を上回る伸びとなった。総合CPIは同0.2%上昇(予想0.1%程度)だった。一方で新規失業保険申請件数は前週比3万3000件増の25万8000件と市場予想(23万件程度)以上だった。雇用指標が弱かったことで、利益確定の売りや持ち高調整の動きが優勢となった。新規失業保険申請件数は想定以上だったが、ハリケーン「ヘリーン」の影響もあったとみられている。S&P500業種別指数はエネルギー、半導体・同製造装置、素材が上昇した半面、電気通信サービス、食品・生活必需品小売、不動産が下落。

シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比60円高の3万9370円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中40円安の3万9270円で始まり、米国市場の取引開始直後には3万8900円と節目の3万9000円を下回る場面もみられた。ただし、売り一巡後はリバウンド基調が強まり、中盤にかけて日中比変わらずの水準まで回復。終盤にかけて上昇に転じ、3万9420円とナイトセッションの高値で取引を終えた。

日経225先物は一時3万9000円を下回る場面もみられたが、ボリンジャーバンドの+1σ(3万8990円)水準が支持線として意識されている。3連休を前に持ち高調整の動きが強まる可能性はありそうだが、同水準では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。また、ナイトセッションで再び週足の+1σ(3万9270円)を上回ってきている。終値で週足の+1σを上回ってくる可能性が高まると、終盤にかけてショートカバーが入りやすいだろう。

また、前日の取引終了後にファーストリテイリング <9983> [東証P]が発表した2024年8月期業績は予想を上回る着地となり、2025年8月期計画についてもコンセンサスを上回った。ADR(米預託証券)では3%を超える上昇をみせているため、日経平均型を牽引することが期待される。米国ではエヌビディア <NVDA>やマイクロン・テクノロジー <MU>など半導体株の一角が買われていることも日経平均型に向かわせそうだ。

ただし、買い一巡後はリバランスの動きになりやすく、スキャルピング中心のトレードになるだろう。また、イスラエルはイランによるミサイル攻撃に対する報復措置について、安全保障閣議を開いたと報じられている。石油インフラなどが攻撃される可能性もあるなか、基本的にはポジションをニュートラルにしておきたいところである。

そのため、週足の+1σ水準での攻防からオプション権利行使価格の3万9250円を中心とした上下の権利行使価格3万9000円から3万9500円でのレンジを想定する。3万9500円処での底堅さがみられるようだと、週初に付けた高値水準である3万9800円辺りが意識されてくる可能性はありそうだ。

なお、10日の米VIX指数は20.93(前日は20.86)と小幅に上昇した。小動きながら依然として不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を上回っている。引き続き9月6日に付けた直近の戻り高値である23.76が射程に入っているほか、中東情勢に振らされやすい面があることには注意しておきたいところである。

昨日のNT倍率は先物中心限月で14.51倍に上昇した。一時14.55倍までの切り上がりをみせており、9月27日に付けた直近の戻り高値である14.51倍を上回る場面もみられた。同水準を明確に上放れてくるようだと、NTロングに振れやすくなりそうだ。本日はファーストリテイリングやアドバンテスト <6857> [東証P]など値がさ株の動向次第では、短期的ながらスプレッド狙いの動きが入りやすいだろう。