株価指数先物【寄り前】 +1σ水準では押し目狙いのロング対応

大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 38920 -450 (-1.14%)
TOPIX先物 2714.5 -25.0 (-0.91%)
シカゴ日経平均先物 38915 -455
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

7日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。前週末発表の9月の米雇用統計が予想を大きく上回り、次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利下げ観測が後退し、米長期金利が再び4%台に上昇してきたことが持ち高調整の売りにつながった。また、イスラエルがイランのミサイル攻撃に対する報復に動くとの観測は根強く、NY原油先物相場の上昇も重荷になった。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、エネルギーの2業種のみが上昇した一方で、自動車・同部品、保険、公益事業、メディア、小売が下落。

シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比455円安の3万8915円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比80円安の3万9290円で始まり、寄り付き直後につけた3万9310円を高値にほどなくして3万9000円を割り込み、3万8900円から3万9160円辺りで推移。中盤にはレンジを下放れ、一時3万8760円まで売られる場面もみられた。終盤にショートカバーにより下落幅を縮め、3万8920円でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まりそうだ。米雇用統計で労働市場の底堅さが示されたと週末は評価されたが、米長期金利が4%台に上昇してきたことが売りにつながったようだ。次回のFOMCでの0.5%の大幅利下げの可能性はほぼなくなり、0.25%の利下げがコンセンサスとなる。ただし、予想を上回る経済指標の発表が相次ぐなかで、金利据え置きの可能性も意識されてきたようである。

10日に発表される9月の米消費者物価指数(CPI)などの結果を見極めたいとする姿勢が強まりやすいだろう。米長期金利の上昇に加えて、地政学リスクへの警戒からNY原油先物相場の上昇も警戒されやすく、引き続き積極的にポジションを傾けにくい需給状況になりそうだ。

日経225先物はナイトセッションで3万9000円を挟んだ推移のなかで一時3万8760円まで売られる場面もみられたが、ボリンジャーバンドの+1σ(3万8720円)水準まで下げたことで、同水準での底堅さを見極めたいところである。+1σと+2σ(3万9340円)でのレンジが維持されるようだと、+1σ水準では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。そのため、オプション権利行使価格の3万9000円を中心とした上限の権利行使価格3万8750円から3万9250円のレンジを想定する。

米国ではエヌビディア<NVDA>が2%を超える上昇で、9月26日に付けた直近の戻り高値を突破してきた。アドバンテスト <6857> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下支えになりやすく、やや日経平均型優位の展開になりそうだ。もっとも、東京エレクトロン <8035> [東証P]の戻りは鈍く、セクター内でのリバランスの動きがみられており、トレンドは強まりにくい。

なお、7日の米VIX指数は22.64(前日は19.21)に上昇した。再び不安心理が高まった状態を示すとされる20.00を超えてきたことで、慎重姿勢が強まりやすい。9月6日に付けた23.76を上回ってくるようだと、ショートを誘う形になる可能性があるだろう。中東情勢に振られやすい面があるため、関連する報道をきっかけとしたアルゴリズム発動には注意しておく必要がある。

昨日のNT倍率は先物中心限月で14.37倍に上昇した。一時14.42倍を付ける場面もみられたが、その後は14.30〜14.40倍辺りのレンジ内で推移していた。半導体株のほか、連日で最高値を更新しているファーストリテイリング <9983> [東証P]の動向が注目される。一方で、日米長期金利の上昇によってメガバンクが買われるようだとTOPIX型優位になりやすく、スプレッド狙いを難しくさせよう。