1.日経平均は3週続伸、3万9000円台後半へ
2.週前半は一進一退、米軟着陸期待が支え
3.木曜にムード一変、日経平均1000円超高
4.米半導体株高と円安、配当取りが追い風
5.自民総裁選に関心集中、思惑買い活発化
■週間 市場概況
今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比2105円(5.6%)高の3万9829円と、3週連続で上昇した。
今週は週前半こそやや方向感に乏しい展開となったが、木曜にリスクオンの動きが一気に加速。米株高と円安が引き続き追い風となった。週末金曜には自民党総裁選を巡って思惑買いの動きが強まり、日経平均は3万9000円台後半まで水準を切り上げた。
秋分の日を含む3連休明け24日(火)の東京株式市場は前週末に引き続き上昇。前週の米大幅利下げを受けて米国経済のソフトランディング(軟着陸)期待が高まるなか、米国株市場が堅調な動きを続け、東京市場でもリスクを取る動きが優勢となった。25日(水)は小反落。引き続き米ソフトランディング期待が相場の支えになったが、この日は方向感のつかみにくい展開に。日経平均は3万8000円台ラインを挟んでの往来に終始した。一転して26日(木)は急伸。日経平均は1000円を超える値上がりとなり、相場のムードは一変した。前日の欧米株市場は総じて冴えなかったが、米半導体株が上昇したことを受け、東京市場でも同関連株が買われ全体を大きく押し上げた。ドル円相場が円安に振れたことも投資家マインドをより強気に傾けた。9月の配当権利取りに絡む買いも寄与したもよう。翌日に自民党総裁選の投開票を控え、後場に入ってポジション調整の売りで伸び悩む局面もあったが、取引終盤に再び買い直され高値引けとなった。27日(金)も大幅高。この日は取引時間中に行われた自民党総裁選にマーケットの関心が集中した。低金利政策の維持と積極財政を主張する高市早苗経済安全保障相が第1回投票で最多得票となり、これを受けて思惑的な売買が活発化。日経平均は900円超高に買われた。その後、決選投票では石破茂元幹事長が高市氏を下し、新総裁に選出された。
■来週のポイント
来週は石破新総裁の影響を見極めるところから始まる。市場は高市氏の総裁選出を織り込んで円安・株高に進んでいたため、急速な巻き戻しは必至だ。法人税・金融所得課税強化を唱える石破氏に市場が警戒しており、総裁就任後の発言に注目が集まっている。
重要イベントとしては、国内では30日朝に発表される8月鉱工業生産、10月1日朝に発表される8月の完全失業率と有効求人倍率、日銀短観が注目される。海外では30日に発表される中国9月製造業PMI、1日に発表される米国9月ISM製造業景気指数、2日発表の米国9月ADP雇用統計、3日に発表される米国9月ISM非製造業景気指数、4日に発表される米国9月雇用統計に注視が必要だろう。
■日々の動き(9月24日〜9月27日)
【↑】 9月24日(火)―― 4日続伸、米株高・円安も買い一巡後は伸び悩む
日経平均 37940.59( +216.68) 売買高16億9699万株 売買代金 4兆3014億円
【↓】 9月25日(水)―― 5日ぶり反落、方向感に欠き終盤は手仕舞い売り
日経平均 37870.26( -70.33) 売買高16億1221万株 売買代金 3兆8404億円
【↑】 9月26日(木)―― 急反発、円安や配当取りに絡む買いで全面高
日経平均 38925.63( +1055.37) 売買高20億8531万株 売買代金 5兆2377億円
【↑】 9月27日(金)―― 大幅続伸、自民党総裁選を横目に思惑売買が活発化
日経平均 39829.56( +903.93) 売買高22億4955万株 売買代金 5兆6354億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、32業種が上昇
(2)値上がり率トップは荏原 <6361> など機械。輸出株はアドテスト <6857> など電機、オリンパス <7733> など精密機器も大幅高
(3)内需株は三井不 <8801> など不動産、JT <2914> など食料品、三越伊勢丹 <3099> など小売が高い
(4)金融株は日本取引所 <8697> などその他金融、野村 <8604> など証券、第一生命HD <8750> など保険が堅調だが、
三菱UFJ <8306> など銀行は全業種通して唯一の下落
(5)フジクラ <5803> など非鉄、郵船 <9101> など海運、神戸鋼 <5406> など鉄鋼といった景気敏感株も買われた
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
1(66) SaaS
2(3) 半導体
3(1) 円高メリット
4(7) データセンター ── 半導体関連株の戻り相場でテーマ性再燃
5(8) 防衛
※カッコは前週の順位