【投資部門別売買動向】自己売買が1.1兆円買い越す一方、海外勢や個人、信託銀は売り越す (9月第3週)

●自己売買が1.1兆円買い越す一方、海外勢や個人、信託銀は売り越す

東証が27日に発表した9月第3週(17日〜20日)の投資部門別売買動向(現物)によると、米国の0.5%利下げは織り込み済みとの見方から為替が円安に振れたことが好感され、日経平均株価が前週末比1142円高の3万7723円と大幅続伸したこの週は、証券会社の自己売買は2週連続で買い越した。買越額は1兆1983億円と前週の9040億円に続き高水準だった。自社株買いが中心とみられる事業法人は12週連続で買い越し、買越額は1884億円と前週の3073億円から大幅に縮小した。

一方、海外投資家が5週連続で売り越し、売越額は5122億円と前週の1兆5425億円から急減した。海外投資家は先物の投資部門別売買動向では日経225先物、TOPIX先物、ミニ日経225先物、ミニTOPIX先物、日経225マイクロの合計で5週ぶりに売り越した。売越額は2498億円だった。現物と先物の合算では5週連続で売り越し、売越額は7621億円と前週の1兆986億円から縮小した。個人投資家は3週ぶりに売り越し、売越額は3567億円だった。前週は2193億円の買い越しだった。年金基金の売買動向を映すとされる信託銀行は2週連続で売り越し、売越額は2963億円だった。

日経平均が大幅続伸する中、自己売買が1兆1983億円を買い越す一方、海外投資家や個人投資家、信託銀行は売り越した。

■投資部門別売買代金差額 (9月17日〜20日)
東証・名証2市場の内国普通株式市場の合計[総合証券ベース(全51社)]
※単位:億円(億円未満切り捨て) ▲は売り越し

海外投資家 信託銀行 個人合計 [ 現金 信用 ] 日経平均 ( 前週比 )
9月 ―――
第3週 ▲5,122 ▲2,963 ▲3,567 [ ▲2,628 ▲939 ] 37,723円 ( +1142 円)
第2週 ▲15,425 ▲559 2,193 [ 1,340 853 ] 36,581円 ( +190 円)
第1週 ▲8,235 1,500 4,672 [ 1,973 2,698 ] 36,391円 ( -2256 円)
8月 ―――
第4週 ▲2,451 2,074 ▲1,106 [ ▲1,839 732 ] 38,647円 ( +283 円)
第3週 ▲3,988 1,347 ▲366 [ ▲1,855 1,488 ] 38,364円 ( +301 円)
第2週 1,872 291 ▲4,041 [ ▲3,112 ▲928 ] 38,062円 ( +3037 円)
第1週 4,953 2,171 ▲553 [ 3,027 ▲3,581 ] 35,025円 ( -884 円)
7月 ―――
第5週 ▲5,524 239 4,817 [ 3,143 1,673 ] 35,909円 ( -1757 円)
第4週 ▲5,659 256 5,050 [ 2,753 2,297 ] 37,667円 ( -2396 円)
第3週 ▲2,459 ▲257 2,512 [ ▲6 2,518 ] 40,063円 ( -1126 円)
第2週 1,288 ▲733 ▲773 [ ▲2,763 1,989 ] 41,190円 ( +278 円)
第1週 1,836 518 ▲4,966 [ ▲5,110 143 ] 40,912円 ( +1329 円)
6月 ―――
第4週 1,239 15 ▲4,885 [ ▲3,839 ▲1,046 ] 39,583円 ( +986 円)
第3週 ▲213 ▲1,914 1,899 [ 358 1,541 ] 38,596円 ( -218 円)
第2週 ▲2,494 1,562 853 [ ▲231 1,085 ] 38,814円 ( +130 円)
第1週 ▲1,986 ▲1,304 2,861 [ 354 2,507 ] 38,683円 ( +196 円)
5月 ―――
第5週 ▲1,126 ▲1,676 ▲887 [ ▲1,394 506 ] 38,487円 ( -158 円)
第4週 ▲1,139 ▲145 816 [ ▲711 1,527 ] 38,646円 ( -141 円)
第3週 383 472 ▲1,204 [ ▲1,964 759 ] 38,787円 ( +558 円)
第2週 2,636 89 ▲406 [ ▲1,121 714 ] 38,229円 ( -6 円)
第1週 1,745 247 ▲2,741 [ ▲2,537 ▲203 ] 38,236円 ( +301 円)

※「信託銀行」は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など年金基金の売買動向を映すとされる部門。「個人・現金」は個人投資家による現物取引の売買動向、「個人・信用」は個人投資家による信用取引の売買動向。
※日銀が金融緩和策の一環として実施しているETF(上場投資信託)の買い入れは、ETFを組成する証券会社の自己売買部門を通じて買い入れているとみられる。