株価指数先物【寄り前】 直近戻り高値突破でショートカバーが強まる

大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 39330 +670 (+1.73%)
TOPIX先物 2728.5 +30.5 (+1.13%)
シカゴ日経平均先物 39280 +620
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

26日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。米新規失業保険申請件数は前週比4000件減の21万8000件と、予想(22万3000件程度)を下回った。4-6月の米実質国内総生産(GDP)確報値は前期比で年率3.0%増加と、予想(2.9%増程度)上回るなど、米経済が大幅な悪化を避けられるとの期待が広がった。イエレン米財務長官は米CNBCのインタビューで、2%のインフレが可能になるとの見方を示したことも材料視された。

また、決算評価から前日の時間外取引で急伸していたマイクロン・テクノロジー<MU>が約15%上昇し、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>やクアルコム<QCOM>など他の半導体株に買いが広がった。S&P500業種別指数は素材、半導体・同製造装置、消費者サービスが上昇した一方で、エネルギー、不動産、食品・生活必需品小売が下落。

シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比620円高の3万9280円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比160円高の3万8820円で始まり、開始直後には3万9000円を回復し、9月2日に付けた直近戻り高値の3万8950円を上回った。買い一巡後は3万8750円〜3万9100円辺りでの推移を継続。米国市場の取引開始後にレンジを上放れ、終盤にかけて上げ幅を広げており、一時3万9400円まで買われる場面もみられ、3万9330円でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになりそうだ。マイクロン・テクノロジーの上昇については織り込まれているが、直近の戻り高値を上放れてきたことから、ショートカバーの動きが一段と強まりやすいだろう。9月期末の配当落ち日となるが、日経平均株価は約280円とみられている配当落ち分を考慮しても上昇が見込まれるなか、センチメントを明るくさせよう。

日経225先物はナイトセッションで、ボリンジャーバンドの+2σ(3万9470円)水準まで上昇してきた。そのため、短期的な過熱感から買い一巡後は利益確定に伴うロング解消の動きも入りやすいと考えられる。ただし、足もとでバンドが拡大傾向をみせていることからバンドに沿ったトレンド形成が意識されやすく、過熱を警戒したショートからのエントリーは避けておきたい。

昨日は後場終盤にかけて上昇ピッチが強まっており、配当再投資に伴う需給が影響していたと考えられる。本日もある程度は買い需要があると考えられるほか、急ピッチの上昇によってダブルインバース型のETFなどのヘッジ対応に伴う買い需要が意識されやすい。そのため、買い一巡後に調整が入る局面においては、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。そのほか、本日は自民党総裁選の投開票が行われる。政策期待が高まるなかでロングが強まりそうだ。

そのため、オプション権利行使価格の3万9000円から3万9500円のレンジを想定する。+2σを上回ってくる局面においては、週足の+1σが位置する3万9800円がターゲットになるとともに、4万円の大台回復が意識されてくるだろう。

なお、26日の米VIX指数は15.37(前日は15.41)と小幅に低下した。一時14.90まで下げており、200日移動平均線(14.84)に接近している。同線を支持線に反転の可能性はあるものの、リスク選好の動きに向かわせやすい。

NT倍率は先物中心限月で14.32倍と前日と変わらずだった。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の上昇によって、一時14.41倍まで上昇する場面もみられたが、円安を手掛かりとした物色のほか、配当志向の動きが強まるなか、後場はNTロングを巻き戻す動きが優勢となっていた。本日も値がさハイテク株は買われるだろうが、幅広く物色される可能性から、トレンドは出にくいだろう。