株価指数先物【寄り前】 シグナル好転でショートカバーが強まりやすい

大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 37500 +610 (+1.65%)
TOPIX先物 2625.5 +35.5 (+1.37%)
シカゴ日経平均先物 37530 +640
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

19日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。NYダウは3日ぶりに反発し最高値を更新したほか、S&P500指数は7月16日以来、2カ月ぶりの最高値更新となった。米連邦準備理事会(FRB)が18日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の倍となる0.5%の大幅な利下げを決めた。昨日はFOMCの結果を受けて利益確定の売りが優勢となったが、利下げによって米経済がソフトランディングに向かうとの見方が強まり、改めて主力株を中心に買いが広がった。

週間の米新規失業保険申請件数は21万9000件(前週比1万2000件減)となり市場予想(23万件程度)を下回った。また、9月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数は1.7と前月のマイナス7.0からプラスに転じており、米経済の底堅さを示したとの見方につながった。S&P500業種別指数は自動車・同部品、半導体・同製造装置、テクノロジー・ハード・機器が上昇した一方で、家庭用品・パーソナル用品、食品・飲料・タバコ、公益事業が下落。

シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比640円高の3万7530円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比30円安の3万6860円で始まったが、直後につけた3万6800円を安値に切り返し、中盤にかけて節目の3万7500円を回復した。買い一巡後は3万7350円〜3万7550円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の強い流れを受けてレンジを上放れ、一時3万7700円まで上げ幅を広げた。終盤にかけては利益確定とみられるロング解消の動きから上げ幅を縮め、3万7500円でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになりそうだ。9月4日の急落以降、抵抗線として機能していた25日移動平均線(3万7230円)、200日線(3万7240円)を明確に上放れてきたことから、ショートカバーを誘い込むことになるだろう。買い一巡後は日本銀行の金融政策決定会合の結果待ちのなかで膠着感が強まる可能性はあるだろうが、25日、200日線水準での押し目買い意欲は強そうだ。

日銀会合では、前回会合での利上げが波乱相場のきっかけになっただけに、9月は現状維持の公算が大きい。結果判明後は、植田和男総裁の記者会見で追加利上げの時期やペースを探ることになる。なお、市場の見方としては12月の利上げ確率が約50%で、来年1月までに利上げを行うとの見方が9割近くを占めているようである。

日経225先物は抵抗線を突破してきたことから、3万8070円辺りで推移する75日線が意識されてくるだろう。7月25日に同線を割り込み、8月の急落後のリバウンド局面でも抵抗線として機能していただけに、同線を捉えてくるようだとヘッジ対応の買いが強まりやすいと考えられる。テクニカル面では、前日の上昇でパラボリックはSAR値を突破し、陽転シグナルを発生させている。

そのため、オプション権利行使価格の3万7250円から3万8000円のレンジを想定。75日線水準にはボリンジャーバンドの+1σが位置しており、この水準を捉えてくるようだと、+1σと+2σ(3万9130円)とのレンジに移行することになりそうだ。

なお、19日の米VIX指数は16.33(前日は18.23)に低下した。17.33辺りで推移している25日線を下回って始まり、一時16.21と75日線水準まで下げる場面もみられた。同線が支持線として意識される可能性はあるものの、リスク選好に向かわせそうである。

昨日のNT倍率は先物中心限月で14.24倍に上昇した。ただし、14.22倍辺りで推移している200日線を挟んだ狭いレンジでの推移だった。本日は米国市場の流れを引き継ぐ形からNTロングに振れそうだが、まずは8月22日の直近戻り高値の14.35倍を上放れてくるかを見極めたい。