○8月の市場は2.28%上昇(配当込みのトータルリターンはプラス2.43%)となりました。7月は辛うじて上昇したものの上値が重く(1.13%上昇、同プラス1.22%)、6月(3.47%上昇、同プラス3.59%)と5月(4.80%上昇、同プラス4.96%)の力強い上昇基調から減速していました。過去3ヵ月では7.03%上昇(同プラス7.39%)となりました。また、年初来では18.42%上昇(同プラス19.53%)となり、年率換算すると28.66%上昇 (同プラス30.46%)に相当します。過去1年間では25.31%上昇(同プラス27.14%)となっています。
⇒マグニフィセント・セブン銘柄は引き続きグループとしては大きな存在感を示していますが、8月にグループとしての株価は下落し、S&P500指数 のトータルリターンを0.75%押し下げました。これら7銘柄のS&P500指数の年初来上昇率に占める割合は44.7%となっています。8月は、7銘柄の株価が平均0.88%下落したのに対し、指数構成銘柄の平均騰落率は2.31%上昇となりました。
○8月の主なデータ
⇒S&P500指数は8月も変動の激しい展開となりましたが、最終的には上昇して月を終えました(2.28%上昇)。7月は1.13%上昇、6月は3.47%上昇でした。8月は22営業日のうち13営業日で上昇しました(7月は22営業日のうち14営業日で上昇)。また、値上がり銘柄数が355銘柄、値下がり銘柄数が148銘柄となり、差が縮小したものの、依然として値上がり銘柄が圧倒的に多くなっています(7月は値上がり銘柄数が364銘柄、値下がり銘柄数は139銘柄でした)。8月の出来高は前月比1%増、前年同月比では2%減となりました。
→8月は11セクターのうち9セクターが上昇しました。7月は9セクターが上昇、6月は5セクターが上昇しました。8月のパフォーマンスが最高となったのは生活必需品で、5.78%上昇しました(年初来では15.78%上昇、2021年末比では9.69%上昇)。パフォーマンスが最低だったのはエネルギーで、2.32%下落しました(同8.72%上昇、同64.61%上昇)。
⇒S&P500指数は8月に2.28%上昇して、5648.40で月を終えました(配当込みのトータルリターンはプラス2.43%)。7月は1.13%上昇(同プラス1.22%)して5522.30、6月は3.47%上昇(同プラス3.59%)して5460.48で月を終えました。過去3ヵ月間では7.03%上昇(同プラス7.39%)、年初来では18.42%上昇(同プラス19.53%)、過去1年間では25.31%上昇(同プラス27.14%)となりました。2023年通年は24.23%上昇(同プラス26.29%)、2022年通年は19.44%下落(同マイナス18.11%)でした。
→S&P500指数は8月に終値での最高値更新はなく、2024年7月16日に付けた終値での過去最高値から0.33%安の水準で月末を迎えました。7月は7回、6月は7回(5月は2回、4月は0回、3月は8回、2月は8回、1月は6回)でした。年初来での最高値更新回数は38回となっています。2023年の最高値更新回数は0回、2022年は1回、2021年は70回でした(過去最高は1995年の77回)。
→コロナ危機前の2020年2月19日の高値からは66.81%上昇 (同プラス79.26%)となっています。
○米国10年国債利回りは7月末の4.04%から3.91%に低下して月を終えました(2023年末は3.88%、2022年末も3.88%、2021年末は1.51%、2020年末は0.92%、2019年末は1.92%、2018年末は 2.69%、2017年末は2.41%)。30年国債利回りは7月末の4.31%から4.20%に低下して取引を終えました(同4.04%、同3.97%、同1.91%、同1.65%、同2.30%、同3.02%、同3.05%)。
○英ポンドは7月末の1ポンド=1.2859ドルから1.3131ドルに上昇し(同1.2742ドル、同1.2099ドル、同1.3525ドル、同1.3673ドル、同1.3253ドル、同1.2754ドル、同1.3498ドル)、ユーロは7月末の1ユーロ=1.0824ドルから1.1050ドルに上昇しました(同1.0838ドル、同1.0703ドル、同1.1379ドル、同1.2182ドル、同1.1172ドル、同1.1461ドル、同1.2000ドル)。円(対米ドル)は7月末の1ドル=150.00円から146.14円に上昇し(同141.02円、同132.21円、同115.08円、同103.24円、同108.76円、同109.58円、同112.68円)、人民元は7月末の1ドル=7.2193元から7.0930元に上昇しました(同7.1132元、同6.9683元、同6.3599元、同6.6994元、同6.9633元、同6.8785元、同6.5030元)。
○8月末の原油価格は6.3%下落し、7月末の1バレル=78.49ドルから同73.58ドルとなりました(2023年末は同71.31ドル、2022年末は同80.45ドル)。米国のガソリン価格(EIAによる全等級)は8月に4.6%下落しました(現在1ガロン=3.433ドル、7月末は3.598ドル、2023年末は同3.238ドル、2022年末は同3.203ドル、2021年末は同3.375ドル)。2020年末から原油価格は52.0%上昇し(2020年末は1バレル=48.42ドル)、ガソリン価格は47.3%上昇しました(2020年末は1ガロン=2.330ドル)。
⇒2024年7月時点のEIAの報告によると、ガソリン価格の内訳は、56%が原油、16%が販売・マーケティング費、13%が精製コスト、15%が税金となっています。
○金価格は7月末の1トロイオンス=2492.20ドルから上昇し、2535.40ドルで8月の取引を終えました(2023年末は2073.60ドル、2022年末は1829.80ドル、2021年末は1901.60ドル、2020年末は1520.00ドル、2019年末は1284.70ドル、2018年末は1305.00ドル)。
○VIX恐怖指数は7月末の16.36から15.00に低下して8月を終えました。月中の最高は65.73、最低は14.46でした(2022年末は21.67、2021年末は17.22、2020年末は22.75、2019年末は13.78、2018年末は16.12)。
⇒同指数の2023年の最高は30.81、最低は11.81でした。
⇒同指数の2022年の最高は38.89、最低は16.34でした。
⇒同指数の2021年の最高は37.51、最低は14.10でした。
⇒同指数の2020年の最高は85.47、最低は11.75でした。
○目標株価は引き続き上昇しています。S&P500指数に対する市場関係者の1年後の目標株価は2023年12月末時点から9ヵ月連続で上昇し、現在値から10.4%上昇の6238となっています(7月末時点では10.8%上昇の6119、6月末時点では5972)。それ以前の目標値は、9ヵ月連続の低下から11ヵ月連続の上昇を経て、2023年11月まで2ヵ月連続で低下していました。ダウ平均の目標株価も3ヵ月連続の上昇から2ヵ月連続の低下を経て、8月まで9ヵ月連続で上昇し、現在値から6.5%上昇の4万4282ドルとなっています(7月末時点では8.0%上昇の4万4097ドル、6月末時点では4万3158ドル)。
※「変動激しい8月、最高値に僅かに届かず (3)」へ続く