株価指数先物【寄り前】 FOMCを前にしたリバランスの動き

大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 36660 +30 (+0.08%)
TOPIX先物 2568.5 +3.0 (+0.11%)
シカゴ日経平均先物 36740 +110
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

12日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。8月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.2%上昇と、市場予想(0.1%上昇)を上回った。前年同月比では1.7%上昇で、予想と一致した。7月分については、下方修正された。欧州中央銀行(ECB)政策委員会は、予想通り2会合ぶりに政策金利引き下げを発表した。

米連邦準備理事会(FRB)が17〜18日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)では大幅な利下げ観測が後退し、0.25%の利下げが予想されている。他の中銀と歩調を合わせる形での継続的な利下げが見込まれるなか、ハイテク株を中心に足もとで売られていた銘柄を買い戻す動きが続いた。S&P500業種別指数はメディア、食品・生活必需品小売、小売が上昇した一方で、銀行、運輸、家庭用品・パーソナル用品が下落。

シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比110円高の3万6740円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比50円高の3万6680円で始まり、その後軟化し下落に転じると、3万6400円〜3万6600円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の取引開始直後には3万6150円まで売られる場面もみられた。ただし、売り一巡後はロング優勢の流れからプラスに転じると、一時3万6840円まで買われた。終盤にかけては3万6600円〜3万6750円辺りでのレンジ推移を継続し、3万6660円でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることになりそうだ。米国ではハイテク株を中心に買い戻しの動きが継続しており、東京エレクトロン <8035> [東証P]やアドバンテスト <6857> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株のリバウンドが見込まれ、日経平均型優位の展開になりそうだ。

9月限の先物オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)に絡んだ売買については、米国市場の上昇の流れもあって、無難に通過することになると考えられる。SQ通過後は需給が軽くなることから、25日移動平均線(3万7120円)、200日線(3万7160円)を試すロングが入りやすいだろう。もっとも、3連休前で積極的にポジションを傾けてくる動きは限られるため、基本的には来週のFOMCを前にしたリバランスが中心になるとみておきたい。

また、ナスダック指数は続伸で75日線を上回ってきたが、SOX指数は小幅に下落しているため、値がさハイテク株のリバウンドが限られるようだと、SQ値水準での膠着感が強まる可能性がある。ただし、リバランス中心のなかで52週線(3万6060円)を上回って終えると考えられ、同線が支持線として意識されるなかではショートは仕掛けづらいだろう。3万6000円から3万6500円のレンジ内では押し目狙いのスタンスに向かわせそうだ。

そのため、オプション権利行使価格の3万6500円を中心とした上下の権利行使価格3万6000円から3万7000円でのレンジを想定。ハイテク株の底堅さがみられる局面においては、3万6500円から3万7000円でのレンジが意識される。

なお、12日の米VIX指数は17.07(前日は17.69)に低下した。17.52辺りで推移する25日線を下回ってきたため、リスク選好に向かわせやすい。FOMC通過までは積極的なロングは限られやすいだろうが、75日線(15.93)、200日線(14.64)に接近してきたことでショートカバーを強めてくる展開が意識されそうだ。

昨日のNT倍率は先物中心限月で14.23倍に上昇した。75日線が位置する14.11倍を上回って始まり、25日線(14.16倍)を突破すると、200日線が位置する14.22倍を捉えてきた。ハイテク株の買い戻しが続く可能性の一方で、為替市場ではドル円が1ドル=141円台で推移するなかで輸出関連株の上値は抑えられやすく、NTロングに振れやすくなろう。