株価指数先物【引け後】 ロール中心だが、円高をきっかけにショートの動き

大阪9月限
日経225先物 35770 -380 (-1.05%)
TOPIX先物 2541.5 -33.0 (-1.28%)

日経225先物(9月限)は前日比380円安の3万5770円で取引を終了。寄り付きは3万6050円と、シカゴ日経平均先物(3万6140円)を下回り、売りが先行した。直後につけた3万6080円を高値にショートが優勢となり、ほどなくして3万5800円まで下落。その後は前場中盤にかけて3万6000円を回復する場面もみられたが、前場終盤に再び下へのバイアスが強まり、一時3万5720円まで売られた。ランチタイムで3万6000円近辺まで戻す場面もあったが、後場の取引開始時には前場につけた安値を割り込み、後場中盤にかけて3万5250円まで下落幅を広げた。

日経225先物は寄り付き直後にボリンジャーバンドの-1σ(3万5950円)を下回り、その後は同水準での攻防が続き、抵抗線として意識される形となった。後場に入り円相場が1ドル=140円台と円高に振れて推移するなか、ショートの動きが強まったようだ。オプション権利行使価格の3万5750円辺りから3万5250円まで下げたことで、ヘッジ対応に伴うショートも入ったと考えられる。

円高については、日銀の中川順子審議委員による発言がタカ派的に受け止められたほか、米大統領選候補者によるテレビ討論会でハリス副大統領が優位に立ったと伝わり、トランプ・トレードを巻き戻す動きともみられていた。

ただし、円高をきっかけとした後場の下落分については、終盤にかけてのカバーで戻している。短期的な売買に振られたものの、基本的には9月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えるなかで限月交代に伴うロールオーバーだったため、仕掛けづらいところであろう。

とはいえ、日経225先物は7営業日続落し、3000円ほど下げてきた。52週移動平均線と週足のボリンジャーバンドの-1σが位置する3万6310円処を割り込んでおり、週足の-2σ水準である3万4440円が意識されてくる可能性がありそうだ。まずは8月の米消費者物価指数(CPI)の結果を受けた、米国市場の動向を見極めたい。本日は円相場が1ドル=140円07銭まで円高に振れる場面もみられた。CPIの結果を受けて140円台を割り込んでくるようだと、アルゴリズムが発動する可能性があるという点には注意しておきたい。

日経225先物は後場に荒い値動きとなったが、オプション権利行使価格の3万6000円を中心とした上下の権利行使価格3万5500円から3万6500円のレンジを想定する。

NT倍率は先物中心限月で14.07倍に上昇した。一時14.10倍まで上げており、75日線が位置する14.11倍に迫る場面もみられた。同線が抵抗として意識されて、いったんはリバランスが入りやすいなか、その後は14.00倍に低下する動きもみられた。円高進行によって輸出関連株への売りがTOPIX型の重荷となる可能性があるため、目先的には75日線を捉えてくる局面がありそうだ。

手口面(9月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万8441枚、ソシエテジェネラル証券が1万8495枚、JPモルガン証券が9047枚、HSBC証券が8623枚、みずほ証券が8350枚、野村証券が7257枚、ゴールドマン証券が6607枚、バークレイズ証券が4843枚、モルガンMUFG証券が4452枚、サスケハナ・ホンコンが4250枚だった。

TOPIX先物は、ソシエテジェネラル証券が3万0270枚、ABNクリアリン証券が2万7458枚、野村証券が1万6993枚、みずほ証券が1万5833枚、JPモルガン証券が1万3504枚、バークレイズ証券が9989枚、モルガンMUFG証券が8423枚、HSBC証券が6625枚、BNPパリバ証券が6485枚、ゴールドマン証券が6018枚だった。

なお、12月限においても商いが膨らんできているため、ロールオーバーは進んでいるとみられる。