株価指数先物【寄り前】 ロールオーバー中心のなかで短期売買に振られやすい

大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 36100 -50 (-0.13%)
TOPIX先物 2566.0 -8.5 (-0.33%)
シカゴ日経平均先物 36140 -10
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

10日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。11日に8月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えて、持ち高調整の売りが優勢となった。そのなかで、2025年の純金利収入の市場予想は高すぎるとの見方を示したJPモルガン・チェース<JPM>が5%超下落したほか、ゴールドマン・サックス<GS>も売られるなど、金融株の下げが目立った。半面、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、マイクロソフト<MSFT>などの大型テック株や、エヌビディア<NVDA>といった半導体株の一角が買われた。S&P500業種別指数は自動車・同部品、ソフトウエア・サービス、不動産が上昇した一方で、銀行、エネルギー、耐久消費財・アパレルが下落。

シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比10円安の3万6140円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比100円高の3万6250円で始まり、一時3万6450円まで買われた。その後軟化し、3万6120円〜3万6320円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始直後に下へのバイアスが強まり、中盤には3万5610円まで売られる場面もあった。終盤にかけて買い戻しが強まり、3万6100円と小幅な下落でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする形から小動きで始まりそうだ。米国では金融株の下落に対してハイテク株の一角が買われており、この流れからやや日経平均型優位の展開になりそうだ。米連邦準備理事会(FRB)は9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを決めるとみられるが、利下げ幅を予想するうえでCPIの結果を見極めたいところであり、引き続き積極的な売買は手控えられよう。

また、日本時間10時からハリス副大統領とトランプ前大統領によるテレビ討論会が行われる。大統領選の行方を左右する可能性があり、金融市場にも影響を与えそうだ。

日経225先物はナイトセッションでボリンジャーバンドの-1σ(3万5970円)を大きく下回る場面もみられたが、終盤にかけての切り返しで-1σを上回って終えた。不安定ながらも-1σが支持線として意識されやすく、3万6000円近辺では押し目狙いのスタンスとなりそうだ。一方で、中心値(25日)が位置する3万7190円に接近する場面では、戻り待ち狙いのショートが入りやすい。そのため、オプション権利行使価格の3万5875円から3万6875円処のレンジを想定する。3万6300円処では52週移動平均線と週足の-1σが位置しているため、強弱感が対立しやすいだろう。

CPIの結果待ちのほか、週末には9月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えているため、限月交代に伴うロールオーバーが中心である。そのため、短期的なトレードに振られやすく、米大統領選挙に向けた討論会での発言などによっては、アルゴリズム発動による影響を警戒しておきたいところだ。

なお、10日の米VIX指数は19.08(前日は19.45)に低下した。そのため、ショートは手控えられる可能性があり、リスク選好に向かいやすい。ただし、下向きながら18.20辺りで推移する25日線が支持線として機能しているため、やや市場心理を神経質にさせそうだ。

なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.04倍(前日は14.01倍)に上昇した。朝方は13.97倍まで低下する場面もみられたが、その後は東京エレクトロン <8035> [東証P]が買われ、日経平均型を支える形だった。足もとで14.00倍を挟んだ13.93倍から14.07倍辺りでの推移をみせているが、米金融株の下落の影響により、いったんは14.11倍辺りで推移する75日線を捉えてくる場面を意識しておきたい。