日経225先物 38390 +40 (+0.10%)
TOPIX先物 2689.0 ±0.0 (±0.00%)
シカゴ日経平均先物 38285 -65
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
29日の米国市場は、NYダウが上昇した一方で、 S&P500、ナスダックは下落。NYダウは2日ぶりに史上最高値を更新した。4〜6月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は前期比年率3.0%増となり、速報値(2.8%増)から上方修正された。また、新規失業保険申請件数は前週比2000件減の23万1000件となり、ほぼ予想と一致。米連邦準備理事会(FRB)が9月に利下げに動くとみられるなか、米経済がソフトランディングできるとの期待につながった。
投資家の注目が集まっていたエヌビディア<NVDA>の決算は、売上高見通しが予想を上回る内容だったが、一部の楽観的なアナリストの期待に届かなかったとして6%超の下落となった。ハイテク株の一角はエヌビディアに足を引っ張られる形となり、ナスダック指数は続落。S&P500業種別指数はエネルギー、テクノロジー・ハード・機器、各種金融が下落した一方で、半導体・同製造装置、食品・生活必需品小売、電気通信サービスが下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比65円安の3万8285円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比80円高の3万8430円で始まり、ロング優勢のなかで米国市場の取引開始直前に3万8600円台を回復すると、中盤にかけて一時3万8830円まで買われた。ただし、買い一巡後は軟化し3万8180円と下落に転じる場面もみられた。終盤にかけては3万8200円〜3万8350円辺りでの保ち合いが続き、引けにかけてのショートカバーにより、3万8390円とプラス圏を回復してナイトセッションの取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り優勢の展開になりそうだ。ただし、エヌビディアの下げについては前日の時間外取引ほどは下げなかったため、東京市場においては織り込み済みであろう。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角には買い戻しの動きが見込まれることで、日経平均型を下支えする可能性はありそうだ。アク抜けの動きが意識されやすく、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。
日経225先物は米4〜6月期GDP改定値などの結果を受けて一時3万8830円まで買われ、75日移動平均線(3万8630円)のほか、13週線(3万8560円)、26週線(3万8690円)を上回る場面もみられた。底堅さが意識されるようだと、これら心理的な抵抗線を改めて捉えてくる可能性がありそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万8250円から3万8750円辺りでのレンジを想定する。
週末要因によりオーバーウィークのポジションは取りづらいところであるが、抵抗線を明確に上放れてくるようだと、ショートカバーの動きが強まりやすいほか、買い遅れているファンドによるロングが入りやすくなるだろう。ボリンジャーバンドの+1σが3万8860円辺りで推移しており、今後この水準を捉えてくるようだと、+1σと+2σが位置する4万0650円とのレンジに移行するとみておきたい。
29日の米VIX指数は15.65(前日は17.11)に低下した。エヌビディアは下落したものの、警戒されていた相場全体の波乱とはならなかったことから、再び15.11辺りで推移する75日線に接近した。不安心理が高まると言われる20.00を下回っての推移が続くなか、リスク選好に向かわせやすくなった。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.26倍に上昇した。14.21倍辺りで推移する200日線を下回って始まり、一時14.14倍まで低下し25日線を下回る場面もみられた。ただし、その後の切り返しによって、200日線を上回って終えていた。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の見直しが意識されるなか、NTロングに向かわせやすいとみておきたい。