株価指数先物【寄り前】 売り一巡後は3万8000円水準での底堅さを見極め

大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 38150 -220 (-0.57%)
TOPIX先物 2680.0 -12.5 (-0.46%)
シカゴ日経平均先物 38140 -230
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

28日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。取引終了後にエヌビディア<NVDA>の決算を控え、ハイテク株を中心に持ち高調整の売りが優勢となった。利下げ観測が支えとなったほか、アムジェン<AMGN>やアメックス<AXP>、ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>などディフェンシブ株の一角が買われ、NYダウは一時プラスに転じる場面もみられた。ただし、アマゾン・ドット・コム<AMZN>やマイクロソフト<MSFT>、シスコシステムズ<CSCO>などの下げが重荷となった。S&P500業種別指数は銀行、保険、医薬品・バイオテクノロジーが上昇した一方で、半導体・同製造装置、自動車・同部品、耐久消費財・アパレルが下落。

シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比230円安の3万8140円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比40円高の3万8410円で始まり、3万8250円〜3万8440円処で保ち合いを継続。その後レンジを上放れ、米国市場の取引開始直後には3万8570円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は軟化し下落に転じると、3万8000円での攻防となり、一時3万7900円まで下落幅を広げた。引けにかけてショートカバーが入り、3万8150円でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り優勢の展開になりそうだ。米国の取引終了後に決算を発表したエヌビディアは、2024年5〜7月期の売上高が予想を上回ったほか、8〜10月期の売上高見通しも予想平均を上回った。ただし、時間外取引で一時8%ほど下げており、他の半導体株にも売りが広がる場面もみられた。そのため、29日の米国市場の下落を先取りする形でショートが入りやすいだろう。

日経225先物はナイトセッションで一時3万8570円まで買われ、75日移動平均線が位置する3万8620円に接近した。その後は米国市場の下げを受け、節目の3万8000円を割り込む場面もみられた。寄り付きはショートに傾きやすく、3万8000円割れを狙った動きをみせてくる可能性もありそうだ。

もっとも、米国市場の反応を見極めたいところであり、短期的なショートに限られると考えられる。足もとでは75日線に上値を抑えられる形で3万8000円を挟んだ膠着が続いていたほか、東証プライムの売買高は連日で13億株台と薄商いだった。エヌビディアの決算は全体相場を上にも下にも大きく変動させる可能性が指摘されていたことで、決算期待によるロングは積み上がっていないだろう。

そのため、下へのバイアスが強まる可能性はあるものの、3万8000円を下回る水準では押し目狙いのロングも意識されてきそうだ。また、通常取引で2%ほど下げていたセールスフォース<CRM>は、取引終了後に発表した決算が予想を上回り、時間外取引で3%ほど上昇していることも下支えになりそうだ。

テクニカル面ではパラボリックのSAR値が位置する3万7520円辺りが意識される可能性があるが、同水準を割り込むことがなければ、アク抜けが意識されやすい。また、売り一巡後に3万8000円水準での底堅さがみられるようであれば、ショートカバーを誘い込む動きに向かわせよう。オプション権利行使価格の3万7500円から3万8500円のレンジを想定する。

26日の米VIX指数は17.11(前日は15.43)に上昇した。エヌビディアの決算を控え、不安心理が高まった形である。ただし、15.01辺りで推移する75日線に接近していたことで、反発しやすいところでもあった。25日線が19.18に位置しており、同水準を突破し、不安心理が高まると言われる20.00を再び上回ってくるかを見極めたい。

なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.25倍に低下した。朝方に一時14.29倍まで上昇し、プラスに転じる場面もみられたが、指数インパクトの大きい値がさ株の一角が下げたことが、日経平均型の重荷となった。ただ、リバランスの動きが中心だったため、14.21倍辺りで推移する200日線を上回っての推移だった。ハイテク株の下げが見込まれるなか、200日線を下回ってくるとNTショートに振れやすくなりそうだ。