株価指数先物【寄り前】 3万8000円を挟んだレンジで推移

大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 38020 +50 (+0.13%)
TOPIX先物 2670.5 +0.5 (+0.01%)
シカゴ日経平均先物 37885 -85
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

21日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。米労働省の労働統計局(BLS)は米雇用者数の基準改定で、2024年3月までの1年間の雇用者数が81万8000人の下方修正になると発表した。また、7月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、多数の米当局者が9月の会合で利下げが適切との見解を示していたことが明らかになった。

9月のFOMCでの利下げ確率が高まるなか、NYダウの上げ幅は一時100ドルを超えた。もっとも、23日の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演内容を見極めたいとのムードも強く、積極的な売買は手控えられた。S&P500業種別指数は耐久消費財・アパレル、食品・生活必需品小売、小売が上昇した一方で、銀行、各種金融、エネルギーが下落。

シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比85円安の3万7885円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比20円安の3万7950円で始まり、その後はロング優勢となり3万8230円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は軟化し、米国市場の取引開始直後には3万7850円と下げに転じた。直後に3万8190円まで切り返したが、中盤にかけてショートが強まり、3万7660円まで下落。3万7750円〜3万7800円処での保ち合いを経て、終盤にかけてショートカバーが勢いを増し、3万8020円とプラスに転じてナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り優勢で始まりそうだ。米国では米雇用者数の基準改定とFOMC議事要旨を受けて、9月利下げを後押しする形となった。円相場は1ドル=145円台と円高傾向にあるものの、比較的落ち着いて推移していることもあり、23日のパウエルFRB議長の講演内容を見極めたいとのムードから膠着感が強まりそうである。

日経225先物はナイトセッションでやや荒い値動きとなったが、積極的な参加者は限られ、スキャルピング中心の短期的な需給に振らされた形であろう。概ね3万8000円を挟んだレンジでの推移であり、円相場が円高に振れる局面ではショートを仕掛けてくる動きが強まる可能性はあるが、その後のカバーを狙った押し目狙いのロング対応となろう。

日経225先物は足もとで下値を切り上げてきており、前日の安値(3万7470円)に接近する場面ではショートカバーが入りやすい。一方で、20日の高値(3万8270円)近辺ではロングの解消が意識されてくる。そのため、オプション権利行使価格の3万7500円から3万8250円のレンジを想定する。

21日のVIX指数は16.27(前日は15.88)に上昇した。75日移動平均線(14.84)水準までの調整後の上昇であり、いったんは反発しやすい水準だろう。依然として20.00を下回っているため、ショートに傾けるポジションは避けておきたい。

昨日のNT倍率は先物中心限月で14.22倍に低下した。一時14.19倍に位置する200日線を下回る場面もみられたが、その後は同線を上回っての膠着となった。明確なトレンドは出ていないが、200日線を上回って推移するようだと、NTロングの組成が意識されてきそうだ。来週にはエヌビディア<NVDA>の決算が控えていることもあり、値がさハイテク株では押し目狙いの買いが意識されてくるため、やや日経平均型優位の展開に向かう可能性があろう。